ランニング性能を比較
Nike Zoom Fly 6 は、Nikeの最新ハイブリッドトレーニング兼レーシングシューズとして注目を集めています。前モデルのZoom Fly 5は、多くのランナーから重くかさばるという評価を受け、市場で苦戦していました。しかし、Zoom Fly 6では大幅なアップデートが行われ、軽量化とデザインの刷新により、競争力のある価格で再登場しました。このレビューでは、Zoom Fly 6の特徴、性能、前モデルとの比較を中心に、実際のランニング体験に基づいて詳しく解説します。主な改善点として、フルレングスのZoomXフォームの採用、10%の軽量化、スタックハイトの増加が挙げられます。これにより、日常トレーニングからレースまで対応可能な万能シューズとなっています。価格面でも魅力的で、日本での公式発売価格は18,700円です。 ランナーの皆さんがシューズ選びの参考にしていただければ幸いです。
モデル概要
Nike Zoom Fly 6 は、日常のトレーニングワークアウトとレースを兼ね備えたシューズとして設計されています。スタックハイトは42mm(ヒール部)、ドロップは8mmと、レース規制をわずかに上回るスペックですが、一般ランナーには問題ありません。重量はUSメンズサイズ9(27cm)で約241gと軽量です。
上部には2層の織りメッシュを採用し、足をしっかりホールドします。ミッドソールはNikeのフラッグシップ素材であるZoomXフォームをフルレングスで使用し、下部に耐久性の高いSR-02 EVAフォームを組み合わせています。これにより、反発性と耐久性を両立。カーボンファイバーのFlyplateをサンドイッチ状に挟み込み、安定性とスピードを提供します。
アウトソールはワッフルタイプのラバーで、前部に大きなラバー、後部に2つのセクションを配置。冬のグリップに優れています。幅広の足にも対応し、メンズ・ウィメンズバージョンが用意されています。サイズ感はAlphaflyやPegasus Turboと同様で、真サイズをおすすめします。
前モデルZoom Fly 5との主な違いは、ZoomXフォームのフル採用(5はリサイクルZoomXとEVAのブレンド)、10%の軽量化(5は約286g)、スタックハイトの増加です。これにより、5の重厚感が解消され、よりレスポンシブな走りを実現しています。
デザインと素材の変更
Zoom Fly 6 のデザインは、前モデルから大胆に刷新されました。5の重厚なイメージを払拭し、軽快で現代的なルックに。カラーバリエーションも豊富で、ブラック系が人気です。
上部素材は織りメッシュの2層構造で、足のトップを心地よく包み込みます。部分的にガセット付きのタンが固定され、ずれを防ぎます。ヒールカウンターには適度なパッドが入り、ロックダウンが良好。ブリスターやホットスポットの発生を抑えています。
ミッドソールでは、ZoomXフォームを上部に、EVAフォームを下部に配置。ZoomXの部分は「ZOOMX」のロゴではなく、上層にあり、反発性を高めています。カーボンプレートはVaporflyやAlphaflyほど硬くなく、柔軟でバウンシー。安定性とスピードのバランスが取れています。
アウトソールは耐久性重視のラバー配置で、ウェットコンディションや落ち葉でもスリップしにくい。夏場はやや熱がこもりやすいですが、冬の通気性は良好です。これらの変更により、5の欠点を克服し、より汎用性の高いシューズに進化しました。
性能とフィット感
Zoom Fly 6 の性能は、快適さとスピードの比率が抜群です。努力レベルに対してペースが速く出せ、長いランやマラソンペースブロックに適しています。ロッカージオメトリーがスムーズなターンオーバーを促進し、3:25/kmペースの速いレップでも楽しめます。
フィット感はセキュアで、ヒールロック不要。ミッドフットストライカー向きですが、ヒールストライカーは後部の安定性がやや不足する可能性があります。クッションはレスポンシブで、長時間クルーズ可能。重量減少が顕著で、適切な軽さを感じます。
一方、ノイズがやや大きい点はNikeらしい特徴。ワッフルアウトソールが原因ですが、グリップの良さとトレードオフです。耐久性が高く、価格対性能比で優位。Pegasus Plus(重量約238g、価格22,000円)より10,000円安く、プレート搭載で速く、脚への負担を軽減します。
Alphafly(重量約201g、価格39,655円)やVaporfly(重量約185g、価格29,700円)のようなフルレースシューズほど硬くなく、トレーニング向きです。Pegasus Turbo(重量約255g)とサイズ感が似ています。
メリットとデメリット
メリット:
- 快適さとスピードのバランスが優秀。長距離ランに適し、ペースアップが容易。
- 軽量化とレスポンシブなミッドソールで、努力以上のペースを実現。
- 価格が競争力あり(18,700円)。耐久性が高く、コストパフォーマンス抜群。
- 冬のグリップが良く、幅広足にも対応。
デメリット:
- ノイズがやや大きい。走行音が気になる場合あり。
- 後部安定性がヒールストライカーには不足。ミッドフット向き。
- 上部素材が夏場に熱をこもりやすい。
全体として、5の欠点を大幅に改善。重いランナーにも保護性が高く、テンポランに最適です。
比較テーブル
| モデル | 重量 (g) | クッション性 | 価格 (JPY) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| Nike Zoom Fly 6 | 241 | ZoomXフル + EVA、カーボンプレート | 18,700 | 軽量でレスポンシブ、汎用性高く耐久性良好 | ノイズ大、後部安定性不足 |
| Nike Zoom Fly 5 | 286 | リサイクルZoomX + EVAブレンド、カーボンプレート | - (旧モデル、参考価格17,000前後) | 重いランナー向け保護性 | 重くかさばる、レスポンス低 |
| Nike Pegasus Plus | 238 | ZoomX + ReactX | 22,000 | 快適で日常使い向き | プレートなし、速さ控えめ |
| Nike Alphafly | 201 | ZoomX + Air Pods、カーボンプレート | 39,655 | 最高速、軽量 | 高価、レース特化 |
| Nike Vaporfly | 185 | ZoomXフル、カーボンプレート | 29,700 | 超軽量、高反発 | 耐久性低、トレーニング不向き |
※重量はUSメンズサイズ9(27cm)基準。価格は公式発売価格またはRRP。
結論
Nike Zoom Fly 6 は、前モデルの失敗を挽回する優れたアップデートです。軽量でレスポンシブ、快適さを兼ね備え、トレーニングからレースまで対応可能。価格18,700円でカーボンプレート搭載は魅力的で、中級ランナーや予算を抑えたい人に特におすすめです。AlphaflyやVaporflyのようなトップ性能ではないものの、日常使いで十分な価値を発揮します。重いランナーも保護性が高く、テンポランに最適。あなたが万能シューズを探しているなら、Zoom Fly 6 を検討してみてください。ランニングのモチベーションを高めてくれる一足です。


