はじめに
HOKA Mach X 3は、クッション性と推進力を兼ね備えたテンポランニングシューズとして注目を集めています。前作のMach X 2では、上部の快適さが不足し、かかと部分が肌を傷つける問題がありましたが、この新モデルではそれが大幅に改善されました。ミッドソールのデュアルレイヤーPEBAフォームとPebaxプレートにより、柔軟性と反発力が向上し、高速走行時の推進力を高めています。スタックハイトはかかと44mm、前足部39mmで、ドロップは5mm。安定性も高く、サイドウォールが足をしっかりと支えます。アウトソールは粘着性のあるラバーで、滑りにくくスムーズなトランジションを実現。全体として、トレーニングからレースまで対応可能なスーパートレーナーとして進化を遂げました。このレビューでは、フィット感、性能、比較を中心に詳しく解説します。ランナーの皆さんが最適なシューズを選ぶ参考になれば幸いです。
モデル概要
HOKA Mach X 3は、クッション性豊かなテンポシューズとして設計されています。重量は27cm（US9）で約252gと、前作よりやや重めですが、走行中は重さを感じさせません。 ミッドソールにはデュアルレイヤーのPEBAフォームを採用し、その間にPebaxプレートを挟み込んでいます。このプレートは柔軟性が高く、足を曲げた際に優れた反発力を発揮します。トゥスプリングとリアロッカーのジオメトリにより、ヒールストライクからトゥオフまでスムーズな移行が可能。安定性を高めるために、サイドウォールが足を包み込むように設計されており、高いスタックハイトでも不安定さを感じにくいのが特徴です。
アッパーはワープニットメッシュ素材で、通気性が向上。反射材も配置され、低光量環境での視認性を高めています。アウトソールは圧縮成型の粘着ラバーで、耐久性が高く、ウェットコンディションでもグリップが良好。全体のバランスが良く、高強度トレーニングに適したシューズです。
フィットとサイズ
サイズ感は標準的で、HOKAの他のモデルに慣れている方は普段のサイズをおすすめします。ただし、トゥボックスがやや狭めで、足のボリュームが多い方は圧迫感を感じる可能性があります。高ボリュームの足型の場合、店頭での試着を推奨します。
前作の最大の問題点だったアッパーの快適さが大幅に向上。かかとカウンターとカラー部分にパッドが追加され、ステップイン時のフィット感が抜群です。ヒールカウンターはアキレス腱に圧力をかけず、しっかりとロックダウン。アッパーの舌部分もパッドが厚く、紐をきつく締めてもレースバイトが発生しません。これにより、長時間の走行でも快適さが持続します。
- トゥボックス：ややタイト
- ヒールフィット：改善され、肌荒れの心配なし
- 通気性：メッシュ素材で高温時も快適
このアップデートにより、多くのランナーに適したフィットを実現しています。
性能とライド
HOKA Mach X 3の性能は、4〜5分/kmのペースで最大限に発揮されます。この速度域では、ロッカージオメトリが効果的に働き、推進力が向上。PEBAフォームのバウンスとPebaxプレートのポップ感が融合し、衝撃吸収とレスポンスのバランスが優れています。柔軟性が高いため、テンポトレーニングやインターバルに最適。スローペースでも楽しめますが、高速志向のランナーに向いています。
安定性については、高スタックハイトでも問題なし。ミッドソールの形状とプレートが足をサポートし、軽度のプロネーションやサピネーションにも対応。重いランナーでも、一般的なニュートラルシューズとして十分機能します。アウトソールはグラベルを拾いやすい切れ込みがありますが、ロードでのグリップは優秀。ウェット路面でも安定したパフォーマンスを発揮します。
全体のライドはスムーズで、ジョルト感がなく、楽しく走れます。前作の良さを継承しつつ、上部の改善でトップクラスのテンポシューズに進化しました。
前作との比較
HOKA Mach X 3は、前作Mach X 2の欠点を解消し、全体的な性能を向上させています。以下に主な比較を表でまとめました。クッションは両モデルともデュアルPEBAフォームを基調としていますが、フィットと安定性の違いが顕著です。重量はMach X 2が27cm（US9）で約241gと軽量。
| モデル | クッション | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Mach X 3 | 高スタック（44/39mm） | 上部のパッド強化で快適性向上、安定性高く高速走行に優れる、通気性良好 | トゥボックスが狭め、重量やや重い、グラベル拾いやすい |
| Mach X 2 | 同様の高スタック | 軽量でレスポンシブ、優れたロッカージオメトリ | 上部のパッド不足でかかと傷つきやすい、通気性は劣る |
この比較から、Mach X 3は日常トレーニングとレースの両方に適した汎用性が高いと言えます。一方で、Mach X 2は軽さを重視するランナーに向いています。
おすすめポイント
このシューズの魅力は、クッションと推進力のバランスにあります。テンポ走やインターバルで活躍し、長い距離でも疲労を軽減。ニュートラルゲイトのランナーや、軽度のプロネーションを持つ方に特におすすめです。
- 高速トレーニング：反発力でペースアップをサポート
- 快適性：上部の改善で長時間使用可能
- 多用途性：トレーニングからレースまで対応
冬場の低光量ランでも反射材が役立ちます。あなたの高強度ランをより楽しくする一足です。
結論
HOKA Mach X 3は、前作の上部問題を解決し、クッション性とレスポンスを高めた優れたテンポシューズです。高速ペースでのスムーズなライドと安定性が魅力で、トレーニングやレースに幅広く活用できます。トゥボックスが狭い点は注意が必要ですが、全体として多くのランナーにフィットするでしょう。おすすめは、快適さとパフォーマンスを求める中級以上のランナー。実際に履いてみて、その進化を実感してください。このシューズで、あなたのランニングがさらに向上することを願っています。
