導入
Brooks Hyperion Elite 5は、レースデイ向けのカーボンプレートシューズとして設計され、スピードとスムーズなライドを両立しています。前モデルからミッドソールフォームをより柔らかく改良し、長距離での快適さを向上させました。軽量でレスポンシブな性能が特徴で、トップクラスのレースシューズに匹敵します。ただし、ヒールロックの弱さが唯一の課題です。このレビューでは、特徴、パフォーマンス、他のモデルとの比較を詳しく解説し、ランナーの皆さんが最適な選択をするお手伝いをします。
シューズ概要
Hyperion Elite 5は、軽量で高速志向のレースシューズです。27cm（USメンズ9）の重量は約204gと、軽量カテゴリに位置づけられます。ヒールからトゥへのドロップは8mmで、ミッド足部から前足部寄りのランニングスタイルに適しています。
- 用途: 5kmからハーフマラソンまでのレースに最適。軽快なストライドを持つランナーならフルマラソンも可能。
- 主な改善点: 前モデルHyperion Elite 4よりミッドソールが柔らかく、クッション性とレスポンスが向上。これにより、硬すぎる乗り心地が解消されました。
このシューズは、安定性と推進力を重視した設計で、速さを求めるランナーにぴったりです。
素材とデザイン
ミッドソールにはDNA Gold PEBAフォームを採用。これはBrooks史上最も柔らかい軽量フォームで、優れたレスポンスを提供します。Arris Speedvolt Plusカーボンプレートを内蔵し、各サイズごとにジオメトリーを調整して最適なフレックスを実現。
アウトソールは軽量ラバーコンパウンドで、一部露出フォーム部分がありますが、耐久性は良好。摩耗が少なく、安定したグリップを発揮します。
アッパーはTPUプレスメッシュで、耐久性が高くストレッチ性あり。通気孔が360度に配置され、高強度ランニング時の足の冷却効果が抜群です。フィットは真サイズでミディアム幅。ワイド足の場合、サイズアップを検討してください。
パフォーマンスレビュー
乗り心地は前モデルより大幅改善。柔らかいフォームがクッションとバウンスを提供し、カーボンプレートとの組み合わせで爆発的な推進力を生み出します。スティッフなフレックスが高速走行で威力を発揮しますが、接地感が強く、フォアフットランナー向きです。
ヒールエリアのロックが弱く、スリップが発生しやすい点が欠点。レーサーズループで調整可能ですが、タンが短いためレースバイト（レースの食い込み）が起きやすいです。トラクションは優秀で、タイトなコーナーでも安定。
全体として、軽量さと推進力が魅力ですが、ヒールフィットが課題。ワイドヒールのランナーには適する可能性があります。
モデル比較
以下は、Hyperion Elite 5と類似モデルを比較した表です。各モデルの27cm（USメンズ9）重量は公式データや信頼できるレビューに基づきます。
| モデル | クッション | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Brooks Hyperion Elite 5 | ソフトでレスポンシブ | 軽量、推進力強、息抜き抜群 | ヒールスリップ、ワイド幅なし |
| Brooks Hyperion Elite 4 | 固めで安定 | 耐久性高、安定したフレックス | クッション不足、レスポンス弱 |
| Nike Alphafly 3 | 非常にソフトでバウンシー | マラソン向き、快適な推進 | 重め、接地感弱 |
| Saucony Endorphin Elite 2 | ソフトでエネルギーリターン高 | 軽量、スピードワーク向き | 耐久性中程度 |
| Nike Vaporfly 4 | ミディアムで軽快 | 最軽量クラス、短距離特化 | クッション薄め |
| Saucony Endorphin Pro 4 | バランス型ソフト | 汎用性高、安定グリップ | やや重め |
Hyperion Elite 5は軽量グループに属し、短中距離で優位。一方、Alphafly 3は長距離の快適さを重視しています。
長所と短所
長所:
- 柔らかいフォームとカーボンプレートの組み合わせで、効率的な推進力。
- 軽量設計で疲労を軽減。
- 通気性が高く、耐久性のあるアッパー。
短所:
- ヒールロックの弱さでエネルギー損失の可能性。
- ワイド足対応なし。
- ヒールランナーにはスロッピー感あり。
これらの点を考慮し、足形に合えば優秀な選択肢です。
結論
Brooks Hyperion Elite 5は、軽量さとレスポンシブな乗り心地でレースシューズの新基準を設けました。ヒールスリップが課題ですが、フォアフットランナーには理想的。Hyperion Elite 4からの進化が顕著で、5km～ハーフマラソンに推奨します。試着をおすすめし、自分のストライドに合ったシューズを選んでください。
