はじめに
このレビューでは、ニューバランスのFuelCell SuperComp Trainer v3(以下、SuperComp Trainer v3)を中心に、スーパートレーナーとしての特徴と性能を詳しく解説します。このシューズは、高いスタックハイトのクッション性とカーボンファイバープレートを組み合わせ、日常のトレーニングからテンポランまで幅広く対応する多用途モデルです。ミッドソールにPEBAXとEVAのデュアル密度フォームを採用し、エネルギーアークカーボンプレートが推進力を生み出します。これにより、長距離ランでも効率的にエネルギーを返し、安定したライドを提供します。v2からの進化として、硬さを増し高速ラン向きに調整されつつ、クッション性を維持。ランナーが複数のシューズを揃える必要を減らし、レースデー用のスーパーシューズと組み合わせるのに理想的です。フィット感は真っ直ぐで、快適性が抜群。耐久性や安定性も向上し、ランナーにとって、トレーニングの効率化を図る強力な選択肢となります。以下で詳細を掘り下げ、他のモデルとの比較も交えておすすめポイントを紹介します。
モデル概要
SuperComp Trainer v3は、スーパートレーナーとして設計された高スタックランニングシューズです。ミッドソールに豊富なフォームを搭載し、クッション性とレスポンスを両立。カーボンファイバープレートを内蔵することで、トレーニングの大部分をカバーし、レースデーには専用シューズに切り替える使い方を想定しています。
主なスペックは以下の通り:
- 重量:271g(メンズUS9、27cm相当)
- ドロップ:6mm(ヒールからトゥへの高低差)
- アッパー:エンジニアードメッシュにPhantomFitテクノロジーを採用。通気性が高く、適度なストレッチ性があり、快適なフィットを実現
- ミッドソール:PEBAXとEVAの混合フォーム、エネルギーアークカーボンファイバープレート搭載。これにより、屈曲時にエネルギーを蓄積し、前方推進力として放出
- アウトソール:ラバーコンパウンドを配置しつつ、ミッドフット部に露出フォームあり。耐久性とトラクションを確保
この構造により、勢いを活かした推進力と安定性を発揮。ガセットタン(舌部がミッドソールに接続)でずれを防ぎ、摩擦を最小限に抑えます。夜間ラン向けの反射材は見当たらないため、注意が必要です。
フィットと快適性
サイズ感は真っ直ぐで、ミディアム幅。幅広の足には2Eバージョンを推奨します。ヒールロックは優秀で、ランナーズループ(特別な紐通し方法)なしでも安定。全体の快適性はクラウドライクで、ニューバランスらしい上質さを感じます。
アッパーは素早くフィットし、ラッシングシステムはシンプルながら確実。タンはパッド入りで、ヒールカウンターはアキレス腱に優しく、息苦しさなし。通気性が高いため、高強度ランでも快適を維持。これにより、長時間のトレーニングでも疲労を軽減します。一方で、湿った路面でのテストは未実施ですが、露出フォーム部は摩耗しやすい点に留意してください。
性能レビュー
ミッドソールの乗り心地は抜群で、推進力とクッション性を兼備。豊富なレスポンスと衝撃吸収を提供し、マラソントレーニングや距離アップに最適です。カーボンプレートがエネルギーを貯蔵・放出するため、無駄な力の損失を防ぎます。
ロッカー形状(緩やかなもの)がスムーズなトランジションを実現。PEBAX/EVAフォームのバウンスと組み合わせ、快適で速いライドを生み出します。このシューズは、長距離を速く走るスーパートレーナーの本領を発揮。テンポランやリカバリージョグ、日常トレーニングにも対応し、多用途性が高いです。v2比で硬めになり、高速向きに進化。 複数のトレーニングシューズを1足で置き換え可能で、ランナーの選択肢を簡素化します。
安定性と耐久性
安定性シューズではないものの、高スタックながら優れた安定性を誇ります。ミッドソールの溝とカーボンプレートの剛性が横揺れを抑え、バイオメカニカルに正しいゲイトをサポート。推進力も強く、快適で速いトレーニングを可能にします。
アウトソールのトラクションは良好ですが、ミッドフット露出フォーム部で耐久性がやや劣る可能性あり。ラバーコンパウンドを追加または拡張すれば、長寿命化が期待されます。全体として、機械的に一貫した性能で、日常使いに信頼性が高いです。
モデル比較
以下は、SuperComp Trainer v3と主な競合モデル(v2およびASICS Superblast 2)の比較表です。クッション性、メリット、デメリットを中心にまとめました。
| モデル | クッション性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| New Balance SuperComp Trainer v3 | 高(PEBAX/EVAデュアルフォーム、40mmヒールスタック) | 推進力強く多用途、安定性向上、エネルギー返還優秀 | 硬めで低速時快適さ劣る、露出フォームで耐久性懸念 |
| New Balance SuperComp Trainer v2 | 高(柔らかめクッション重視) | 長距離快適、クッション豊富で保護性高 | 重量重め(約296g US9)、高速向きでない |
| ASICS Superblast 2 | 極高(FF Blast+ Ecoフォーム、最大クッション) | 軽量(約240g US9)、快適で日常使い優秀、環境配慮 | 推進力控えめ、耐久性平均、幅狭め |
この比較から、v3はv2の快適さを維持しつつ高速性を強化。ASICSモデルは軽さが魅力ですが、推進力でv3が勝る傾向です。
SuperComp Trainer v3は、スーパートレーナーとして最高峰の1足。クッションと推進力のバランスが優秀で、トレーニングの効率を高めます。v2からの進化で硬さを増し、速いペースに適応。一方、露出フォームの耐久性を考慮し、路面を選んで使用を。複数のシューズを必要としない点が魅力で、マラソン志向のランナーにおすすめです。あなたに合ったトレーニングスタイルで、このシューズを活用してみてください。




