導入
ナイキのトレイルランニングシューズ、ワイルドホース10を初めて履いて走ってみました。過去のワイルドホース8では、重量がやや重いものの快適なフィット感とミッドソールの反応性が好印象でした。一方、今回の10モデルでは、ミッドソールにReact Xフォームを採用し、従来のReactより13%高いレスポンスを謳っています。アウトソールはATCラバーで、5mmのラグ深さが特徴です。初回ランでは約13.7kmを走行し、フィット感、クッション性、グリップを検証。ワイルドホース8やテラカイガー10との比較も交え、トレイルランナーにとっての魅力を探ります。このシューズは、安定した走りを求める中級者以上に適したモデルと言えそうです。足の形状によっては浅めのトゥボックスが気になるかもしれませんが、全体として快適なパフォーマンスを発揮しました。これにより、ナイキのトレイルラインアップがさらに進化した印象です。
モデル概要
ワイルドホース10は、トレイルランニング向けに設計されたシューズです。エンジニアードメッシュのアッパーは通気性が高く、ガセットタンとパッド入りアンクルカラーが快適なフィットを確保します。ミッドソールにはReact Xフォームを使用し、柔らかくバウンシーな感触を提供。アウトソールはATC（All Terrain Compound）ラバーで、5mmのラグがゆるい砂地やグラベルで良好なトラクションを発揮します。フォアフットにロックプレートを内蔵し、岩場での保護を強化。重量は27cm（US9）で約306gと、トレイルシューズとしてはやや重めですが、走行時の軽快さがそれを補います。ヒールドロップは9.5mmで、ヒールスタック38mm、フォアフット28.5mm。ワイルドホース8からスタック高をわずかに増やし、クッション性を向上させています。
フィットと快適性
初回ランで感じたフィット感は優秀です。ミッドフット周りがしっかりとロックダウンされ、ヒールにスリップがなく、安定したホールドを提供します。ノッチ付きレースが緩みを防ぎ、長距離でも安心。トゥボックスとミッドフットは浅めなので、高いインステップの足には窮屈に感じる可能性がありますが、私の足型にはぴったりでした。直箱から快適で、ラビングやホットスポットは発生しませんでした。ただし、気温が高い朝のランではアッパーがやや暖かく感じ、通気性が課題かも。一方、テラカイガー10の軽量で通気性の高いアッパーと比較すると、ワイルドホース10は耐久性重視の構造です。
- メリット：セキュアなミッドフットロック、ヒールホールドの良さ。
- デメリット：浅いトゥボックスで幅広足に不向き。
アウトソールとグリップ
アウトソールはATCラバー採用で、ワイルドホース8のグリップ問題を改善した印象です。5mmのチャンキーラグが、乾燥したトレイルや柔らかい砂地で優れたトラクションを発揮。フォアフットのラグに「N」、ヒールに「S」のマーキングがあり（詳細不明ですが、方向性示唆か）。ロックプレートが岩場での保護を強化し、シャープな地形で安心感を与えます。湿ったトレイルは未テストですが、過去のナイキインハウスラバーより進化を期待。テラカイガー10のVibram Megagripと比べると、ATCは汎用性が高いものの、ウェットグリップで劣る可能性あり。全体として、コンパクトなパスウェイやダウンヒルで安定したパフォーマンスでした。
ミッドソール性能
React Xフォームのミッドソールが最大のハイライトです。従来のReactより13%レスポンシブで、柔らかくバウンシーな感触。約13.7kmのランで、エネルギーリターンが高く、コンパクトトレイルを弾むように進みました。テラカイガー10のCushlon 3.0フォームと比較すると、React Xはよりソフトで楽しい走りを提供。一方、ワイルドホース8のReactと似ていますが、スタック高の増加でクッション性が向上。ロックシールドが岩場保護を助け、ターマック区間でも快適。重量が重めですが、ミッドソールの推進力がそれをカバーします。
- クッション：ヒール38mmで長距離向き。
- エネルギーリターン：高いバウンスでファンランに最適。
モデル比較テーブル
| モデル | クッション（ヒール/フォアフット/ドロップ） | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ワイルドホース10 | 38mm / 28.5mm / 9.5mm | バウンシーなReact Xフォーム、良好なロックダウン、ロックプレート保護 | 重量約306g（27cm/US9）と重め、浅いトゥボックス、通気性やや低め |
| ワイルドホース8 | 35.5mm / 27.5mm / 8mm | 快適なフィット、Reactフォームのエネルギーリターン | 重量約323g（27cm/US9）とさらに重く、グリップ問題の可能性 |
| テラカイガー10 | 29mm / 24mm / 5mm | 軽量約256g（27cm/US9）、通気性高くVibram Megagripで優れたウェットグリップ | ミッドソールがフラットで古めかしく感じる、クッション少なめ |
結論
ワイルドホース10は、快適さとパフォーマンスのバランスが取れたトレイルシューズです。React Xミッドソールのバウンスが楽しく、フィット感も良好ですが、重量を300g以下に抑えればさらに理想的。ワイルドホース8のファンならアップデートを楽しめ、テラカイガー10とのハイブリッド（軽量アッパー＋React X）が理想形かも。初回ランで13.7kmを快適に完走し、中長距離トレイルにオススメ。足型に合えば、毎日のアドベンチャーに欠かせない一足になるでしょう。あなたはどのモデルを選びますか？