はじめに
このレビューでは、ASICSの人気モデルNovablast 5を徹底的に検証します。日常のランニングからロングランまで対応するデイリートレーナーとして、クッション性、柔軟性、安定性を重視した比較を行います。過去モデルからの進化を中心に、他の類似シューズとの違いを明らかにします。
モデル概要
ASICS Novablast 5は、シリーズ史上最も軽量で柔らかいフォームを採用したモデルです。ミッドソールには新開発のFF Blast MAXフォームを使用し、従来のFF Blast+ ECOよりも密度が低く、開放的なセル構造でより柔軟なクッションを提供します。これにより、足への衝撃吸収が向上し、快適なライドを実現しています。
スタックハイトはヒール部40.9mm、フォアフット部33.5mmで、ドロップは7.4mm。マキシマリストシューズの基準を満たす高さながら、27cm (US9) で254gという軽さを実現しています。アウトソールはAHAR LOラバーを高摩耗部に配置し、中央に溝を設けたデザインで柔軟性を高めています。アッパーはジャカードメッシュに戻り、視覚的に魅力的で適度な通気性を確保。トーボックスの幅は97.5mm(最広部)と74.4mm(親指部)で、平均的な足幅やや広めの人に適しています。トーボックスの高さは27.2mmと標準的で、快適なフィットを保ちます。
ロッカー構造はフォアフット部が穏やかで、自然なトランジションを促進。一方で、ヒール部のベベルを調整し、過去モデルより柔軟性を向上させています。これにより、短距離から長距離まで多用途に使えます。
クッション性と性能
Novablast 5の最大の進化は、FF Blast MAXフォームによるクッション性です。ミッドソールの柔らかさは13.0 HA(Shore A)と、シリーズで最も柔らかく、平均値20.5 HAを大幅に下回ります。これにより、雲のような柔らかい着地感が得られ、筋肉や関節への負担を軽減します。衝撃吸収はヒール部141 SA、フォアフット部134 SAで、平均129 SAを上回る優れた値です。
エネルギー返還も向上し、ヒール部63.6%、フォアフット部66.5%(平均58.5%)。テンポランにも対応するバウンスを提供しますが、プレミアムフォームほどの高性能ではなく、トレーニング向きです。柔軟性は11.2Nで曲がり、平均15.1Nより優れ、歩行やジョギングも快適です。
安定性はニュートラルシューズながら優れており、トーショナルリジッドは4/5、ヒールカウンターの剛性は3/5。フォアフット部のミッドソール幅122.3mm、ヒール部97.6mmと広めで、高スタックでもバランスを保ちます。トラクションは0.53と平均0.47を上回り、乾いた路面で信頼性が高く、湿った路面でも改善が見られます。
耐久性では、アウトソールが0.9mmの摩耗で800km以上の走行を可能。ヒールパッドの耐久は3/5と標準的ですが、トーボックスは1/5と薄い素材のため、穴あきに注意が必要です。寒冷時、フォームは42%硬化しますが、全体としてオールシーズン対応です。
フィットと快適さ
フィットは真のサイズ通りで、幅は中程度。ワイドサイズも利用可能で、広めの足に最適です。舌部のパッドは5.0mmで、紐を適切に結べば圧迫を防げます。セミガセットタイプの舌でずれにくく、ヒールタブは指ループ式で着脱しやすくなっています。
通気性は3/5と中程度で、煙テストで確認。メッシュの薄い部分と厚い部分を交互に配置し、熱気を逃がします。舌部に大きな穴があり、夏場は薄手のソックスと組み合わせると快適。リフレクティブ要素で夜間走行の視認性を高めています。インソールは4.4mmのEVAで取り外し可能、カスタムオーソティック対応です。
全体として、Novablast 3のファンに特におすすめ。ジャカードメッシュの復活とダイナミックなライドが、4からのダウングレード感を解消しています。
比較テーブル
| モデル | クッション性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ASICS Novablast 5 | ソフト(13.0 HA) | 軽量(27cmで254g)、優れたエネルギー返還、柔軟性が高い、多用途 | 通気性が中程度、トーボックス耐久性が低い |
| Mizuno Wave Sky 8 | ソフト | 軽量(27cmで271g)、安定したクッション、日常ラン向き | 通気性が中程度、耐久性がやや低い |
| Reebok FloatZig 1 | バランス | 軽量(27cmで277g)、レスポンシブな乗り味、グリップ良好 | 耐久性が中程度、フィットがやや狭め |
| Brooks Glycerin Max | ソフト | 高いスタックハイト(42.3mm)、優れた衝撃吸収、安定性 | 重め(27cmで305g)、柔軟性が中程度 |
このテーブルは、主なモデルをクッション性、メリット、デメリットで比較。Novablast 5は軽さとクッションのバランスが抜群です。
メリットとデメリット
メリット:
- FF Blast MAXフォームでエネルギー返還向上。
- シリーズ史上最も柔らかいクッション。
- スタックハイト増加でクッション強化。
- 柔軟性向上し、軽量化。
- ワイドフィット対応で幅広い足型に。
- クッション対重量のバランス優秀。
- 短中長距離対応。
デメリット:
- 通気性が改善の余地あり。
- トーボックス耐久性が低い。
- グリップが湿った路面でやや弱い。
これらを考慮し、柔らかい乗り味を求めるランナーに適しています。
誰におすすめか
Novablast 5は、以下のようなランナーに最適です:
- クッション豊富で快適なデイリートレーナーを求める人。
- Novablast 3のファンで、4の硬さを不満に思っていた人。
- 軽量ながらマキシマリストスタックを望む人。
- 初心者でカジュアルランからテンポトレーニングまで一足でこなしたい人。
一方、硬めのフィーリングを好む人はSaucony Ride 17やBrooks Ghost Max 2を。グリップ重視ならASICS Superblast 2やPuma Velocity Nitro 3を検討。高スタックが苦手で敏捷性を求める人はHoka Mach 6がおすすめです。
結論
ASICS Novablast 5は、軽さ、柔らかさ、バウンスを融合した最高の進化形です。日常のランニングを楽しく安定したものに変える一足で、シリーズの魅力を取り戻しました。あなたはどのシューズで次のランを楽しむでしょうか?







