モデル概要
ASICS Metaspeed Edge Tokyoは、軽量さとスピードを追求したスーパーシューズです。このレビューでは、ラボテストに基づき、特徴的なFF Leapフォーム、湾曲したカーボンプレート、そしてグリップ力の高いアウトソールを焦点に、性能を詳しく検証します。特に、ヒールストライカー向けの安定性とスムーズなトランジションが魅力で、5kmからマラソンまで幅広い距離に対応します。他のMetaspeedシリーズとの比較も交え、ランナーの選択をサポートします。
クッション性とエネルギーリターン
Metaspeed Edge Tokyoのクッション性は、ラボテストでヒール部146 SA、フォアフット部132 SAと平均を上回る結果を示しました。これにより、長距離での衝撃吸収が優れ、ロードウルトラマラソンにも耐えうる保護を提供します。一方、エネルギーリターンはヒール部78.3%、フォアフット部76.8%と高く、新素材のFF Leapフォーム(A-TPU製)が従来のFF Turbo+より跳ね返りを向上させています。
- ヒールスタック: 38.9mm – マラソン向けスーパーシューズの標準値で、優れた衝撃吸収を実現。
- フォアフットスタック: 32.0mm – マキシマリストシューズ並みの厚さで、前足部のクッションを強化。
- ドロップ: 6.9mm – 公式値5mmに対し、実測値が高く、ヒールからトゥへのローリング感が強い。
- ミッドソール柔らかさ: 11.5 HA(ソフト) – FF Leapが上部に配置され、プラッシュな感触を提供。
- セカンダリフォーム柔らかさ: 19.0 HA – FF Turbo+が下部にあり、安定性を確保。
これらの要素により、シューズは軽快ながらもクッション豊かで、ライバルシューズより快適な走行感を生み出します。
安定性とフィット
安定性では、Metaspeed Edge TokyoはSky Tokyoよりヒールストライカー向けに優位です。フレアデザインのヒールとFF Turbo+の配置がサポートを強化し、トルショナルリジッドは5/5のスコアを獲得。一方、フォアフット部は狭め(108.0mm)で敏捷性を重視しています。
フィット感はレーシング仕様で、トゥボックス幅73.0mm、高さ28.1mmとゆとりがあり、長距離でのホットスポットを防ぎます。全体幅は89.4mmとナローなので、幅広足のランナーは注意が必要です。サイズは真サイズで、27cm(US9)基準の重量は159gと超軽量です。
- トーショナルリジッド: 5/5 – カーボンプレートが剛性を高め、安定した走りを支える。
- ヒールカウンター剛性: 1/5 – 最小限の構造で軽さを優先。
- ミッドソール幅(ヒール): 75.0mm – パフォーマンス重視のナロー設計。
このフィットは、Vaporflyファンにも軽さと吸収性の向上としてアピールします。
性能比較
Metaspeed Edge Tokyoを他のASICS Metaspeedシリーズと比較します。以下は主なモデルのクッション性、メリット、デメリットをまとめた表です。各データはラボテストに基づき、クッションはミッドソール柔らかさを基準に評価しています。
| モデル | クッション性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Metaspeed Edge Tokyo | ソフト(11.5 HA) | 超軽量(159g at 27cm US9)、優れたグリップ(0.74スコア)、スムーズなローリング、プラッシュなフォアフット、良好な通気性(5/5) | ナローフィット、安定性が中程度、寒冷時柔らかさ変化小(9%)だが極端な安定を求める人には不向き |
| Metaspeed Sky Paris | バランス(ミッドソール柔らかさ平均) | 競争力の高いエネルギーリターン、ワイドオプションあり、真サイズフィット | ナロートゥボックス、トゥボックス耐久性低い、フォアフット安定重視 |
| Metaspeed Sky Tokyo | ソフト | 軽量(163g at 27cm US9)、優れたエネルギーリターン(フォアフット特化)、安定性が高い | グリップがEdgeより劣る(0.66スコア)、ヒールストライカーには不安定 |
| Metaspeed Ray | ソフト | 極端に軽量(129g at 27cm US9)、柔軟性が高い、ドロップ9.8mmでローリング良好 | 耐久性中程度、通気性中庸、ナローフィット |
この比較から、Edge Tokyoはヒールからトゥの移行が滑らかで、多用途性が際立ちます。Skyシリーズはフォアフットストライカー向けですが、Edgeはより伝統的なスーパーシューズ感覚を提供します。
プロスとコンス
Metaspeed Edge Tokyoの強みは多岐にわたります。
プロス:
- 羽のように軽い(159g at 27cm US9)。
- 5kmからマラソンまで対応。
- エリートレベルのトラクション。
- 新FF Leapミッドソールがレスポンシブ。
- Sky Tokyoより安定性向上。
- プラッシュなフォアフット。
- 優れたアッパー。
- 湾曲プレートによるクラシックなローリング感。
- Paris版より全ての面で向上。
コンス:
- ナローフィット。
- 安定性が最高レベルではない。
これにより、Paris版からの進化が明確で、グリップとレスポンスのバランスが優れています。
おすすめのランナー
このシューズは以下のようなランナーに最適です:
- Skyシリーズを不安定と感じるヒールストライカー。
- 湾曲カーボンプレートと優れたグリップを求める伝統派。
- Vaporflyより軽量でアッパーが良く、衝撃吸収を重視する人。
- ニュートラルゲイトで、5kmの爆発力とマラソンのクッションを両立したいランナー。
一方、不向きなのは:
- コントロールとイージーライドを求めるマラソンランナー(Adidas Adizero Adios Pro 4やNike Alphafly 3を推奨)。
- 安定性を最優先する人。
あなたはどのスタイルのランナーですか?このシューズがマッチするか、ぜひ試してみてください。
結論
ASICS Metaspeed Edge Tokyoは、軽量さとレスポンシブさを兼ね備えた優れたスーパーシューズです。新FF Leapフォームと湾曲プレートがスムーズな走りを生み、グリップ力もトップクラス。Skyシリーズとの明確な差別化により、ヒールストライカーや多用途を求めるランナーに特におすすめです。ラボデータから見て、5kmからマラソンまで信頼できる選択肢です。ランニングの可能性を広げる一足として、ぜひ検討を。