はじめに
このレビューでは、ASICSの最新スーパーシューズ「Metaspeed Sky Tokyo」を徹底検証します。軽量設計、優れたエネルギー返還、そしてマラソン向けのクッション性を中心に、Sky ParisやEdge Tokyoなどのモデルと比較しながら、特徴や性能を詳しく解説します。ミッドフットやフォアフットストライカーにとって理想的な一足です。
モデル概要
ASICS Metaspeed Sky Tokyoは、現代のスーパーシューズに求められるすべてを備えたモデルです。超軽量構造、通気性の高いアッパー、フルマラソンに耐えうるクッション、そして爆発的なエネルギー返還が魅力です。一方で、トゥボックスの狭さやヒール安定性の低さが一部のランナーには不向きかもしれません。このシューズは、ASICSがピークに戻ってきた証拠と言えるでしょう。
- 重量: 27cm (US9) で163g(RunRepeatのラボデータに基づく)。
- ドロップ: 6.0mm(ブランド公称5.0mm)。
- スタックハイト: ヒール38.7mm、フォアフット32.7mm。
- ミッドソール: 新素材FF Leap(11.5 HAの超ソフトフォーム)とFF Turbo+(19.5 HA)のデュアルフォーム構成。FF LeapはA-TPUベースで、PEBAフォームに匹敵する耐久性と反発力を提供します。
- プレート: フラットカーボンプレートで、安定したフォアフットプラットフォームを実現。
- アウトソール: ASICSGRIPラバーで、優れたグリップ力(0.66スコア)。
この設計は、ストライドタイプのランナー(強力なストライドでエネルギーを最大化する人)に向いています。低〜中程度のカデンス(140-175)で、ペースを維持しやすいです。
クッション性とエネルギー返還
Metaspeed Sky Tokyoの最大の進化は、クッションとエネルギー返還の向上です。マラソン距離で筋肉への負担を軽減し、最終ステージで力を発揮できるように設計されています。
- ショック吸収: ヒール147 SA、フォアフット122 SA。平均値を上回り、World Athleticsのスタック制限内で最高レベルの保護を提供。これにより、長距離での疲労を最小限に抑えます。
- エネルギー返還: ヒール78.5%、フォアフット78.2%。前作Sky Parisの73.2%/70.7%から大幅改善。トランポリンのような反発で、推進力を高めます。
- ミッドソールソフトネス: メインのFF Leapは極めて柔らかく、二次フォームのFF Turbo+が安定性を加えます。寒冷時でも軟化差はわずか13%で、性能が安定。
- ロッカー: 控えめな曲線で、スムーズなトランジションを実現。Hoka Cielo X1 2.0のようなアグレッシブさはないが、マラソンペースで効率的。
これにより、フォアフットストライカーはパワフルなストライドを活かせます。一方で、ヒールストライカーには不安定に感じるかも。
フィットと快適性
フィット感はレーシングシューズらしいタイトさですが、快適性を追求した工夫が見られます。
- サイズ: 真サイズ通り。
- 幅/フィット: 全体幅90.5mm、トゥボックス幅70.1mmと狭め。ワイドフィートのランナーには窮屈かも。ただし、トゥボックス高さは30.6mmとゆとりあり、大指への圧迫を防ぎます。
- 通気性: MOTIONWRAP 3.0アッパーが優秀で、煙テストで5/5。インソールにも通気孔があり、レーシング中の熱を逃がします。
- ロックダウン: セキュアで、伝統的なレースシステム。舌パッドは0.6mmと薄いが、滑りにくい。
- その他: リムーバブルインソール(厚さ3.1mm)。取り外せばさらに軽量化可能。
全体として、軽さと通気性を優先した設計ですが、狭いトゥボックスが長距離で足のしびれを招く可能性があります。
安定性と耐久性
安定性はミッドフット/フォアフットストライカー向けで、ヒール部は控えめです。耐久性はレーシング用途に適したレベル。
- 安定性: 横方向テストで不安定。トルショナルリジッドネス5/5(硬め)、ヒールカウンター1/5(柔軟)。フォアフットミッドソール幅114.9mmは平均的だが、ヒール幅75.0mmは狭く、ヒールストライカー不向き。
- 剛性: 21.1Nで適度。寒冷時変化は小さい。
- 耐久性: トゥボックス1/5(薄いアッパー)、ヒールパッド5/5(優秀)、アウトソール1.4mm摩耗(平均以下)。アウトソール厚さ1.4mmで、グリップ優先のトレードオフ。
- 反射材: なし。ヒールタブなしでミニマリスト。
このシューズは耐久性を犠牲に軽さを追求。レース用として、数回のマラソンに耐えるでしょう。
モデル比較
ここでは、Metaspeed Sky Tokyoを類似モデルと比較します。主にクッション性、メリット、デメリットに焦点を当てます。重量はすべて27cm (US9) のラボ/公式データに基づきます。
| モデル | クッション性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ASICS Metaspeed Sky Tokyo (163g) | ソフト(11.5 HAメイン) | 軽量、エネルギー返還高、マラソン向けクッション、優れたグリップ、通気性抜群 | トゥボックス狭、ヒール不安定 |
| ASICS Metaspeed Sky Paris (183g) | バランス | 軽量、安定したライド | エネルギー返還低め、重量増 |
| ASICS Metaspeed Edge Tokyo (159g) | ソフト | カデンス型に最適、曲線プレートでローリング感 | フラットプレート派には不向き |
| Saucony Endorphin Elite 2 (199g) | ソフト | トゥボックス広め、ヒールサポート良 | 重量重め、価格高 |
Sky TokyoはSky Parisよりエネルギー返還が向上し、軽量化。Edge Tokyoとはプレート形状が異なり、ストライド型に特化。Elite 2は安定性が高い代替です。
まとめとおすすめ
ASICS Metaspeed Sky Tokyoは、軽さ・反発・クッションのバランスが秀逸なスーパーシューズです。特に、ミッドフット/フォアフットストライカーで、マラソンペースを維持したいランナーにおすすめ。Skyシリーズの最高傑作と言えます。
一方、ヒールストライカーやワイドフィートの人は、Adidas Adizero Adios Pro 4やSaucony Endorphin Pro 4を検討を。あなたはどのシューズで次のレースに挑みますか? コメントでシェアしてください!