New Balance Fresh Foam X Hierro v9 徹底レビュー:トレイルシューズの革新

はじめに

New BalanceのFresh Foam X Hierro v9は、シリーズの大胆なリブートモデルです。従来の柔軟で接地感の強い乗り味を捨て、硬めのマックスクッション構造、低ドロップ設計、そしてロッカー形状のスムーズな走行感を採用しています。トレイルランナー向けに、プラッシュなフォーム、超グリップのVibram Megagripアウトソール、耐久性のある素材を備え、長距離走行に最適。従来のファンには驚きの変化ですが、クッションを求める人には魅力的な一足です。

:national_park: モデル概要

New Balance Fresh Foam X Hierro v9は、トレイルランニングに特化したシューズで、Fresh Foam Xミッドソールをアップグレード。ヒールスタックは37.3mm、フォアフットは33.1mmと大幅に増加し、ドロップは4.2mmの低ドロップ設計です。これにより、中足部や前足部着地ランナーに適した自然な効率性を提供します。

  • 素材と構造: アッパーはメッシュ素材で通気性を確保し、Toe Protect TPU補強で耐久性を高めています。舌部はセミガセットタイプで、デブリの侵入を防ぎます。アウトソールはVibram Megagripを採用し、多方向ラグでグリップを発揮。
  • 重量: 309g (27cm / US9)。
  • 幅の選択: 標準幅に加え、ワイドやエクストラワイドも一部地域で利用可能。

このモデルは、全季節対応で、リムーバブルインソールも搭載。反射材はないものの、全体的に高品質な素材を使っています。

:straight_ruler: サイズとフィット

サイズ感はハーフサイズ小さめで、購入時はサイズアップを検討してください。トゥボックスの幅は最広部で94.7mm、大つま先部で73.4mmと平均的ですが、ややタイトなフィット。縦の高さは26.7mmで、標準的な足型に適合します。

  • フィットのポイント: 中足部とヒールは安定感があり、ミッドフット幅116.9mm、ヒール幅94.1mmの広めのプラットフォーム。幅広足の人は2Eや4Eバージョンを選べば快適。
  • 注意点: 低ドロップのため、ヒールストライカーには慣れが必要。一方で、前足部クッションが豊富なので、長距離で疲労を軽減します。

全体として、トレイルでの安定性を優先した設計ですが、柔軟性を求める人には硬く感じるかも。

:shield: クッションとパフォーマンス

クッションはFresh Foam Xの進化版で、ソフト(14.6 HA)。衝撃吸収はヒール131 SA、フォアフット124 SAと優秀で、長距離トレイルに最適。エネルギーリターンは61.9%と平均以上で、速いペースでも活発です。

  • ロッカー形状: ヒールとフォアフットのロッカーで推進力を助け、硬めの乗り味(曲げ剛性18.2N、ねじり剛性5/5)を補完。
  • 安定性: 高いスタックにもかかわらず、広めのベースで安定。ヒールカウンターは中程度の硬さ(3/5)。
  • 寒冷時性能: ミッドソールは冷凍後24%硬くなるだけと、EVAベースながら良好。

前モデル比でフォアフットが37%厚くなり、ミッドフット/フォアフットストライカーに特化。柔軟性を失った分、耐久性と保護力が向上しています。

:rocket: トラクションと耐久性

アウトソールはVibram Megagripで、ラグ深さ3.3mm。軽めのトレイルやグラベル、軽い泥地で抜群のグリップを発揮します。厚さ2.4mmで地面の凹凸から足を守り、耐久テストではトゥボックス4/5、ヒールパッド5/5、アウトソール0.9mm摩耗と優秀。

  • 通気性: トゥボックスに多数の穴があり、3/5の適度な通気。パディング豊富な舌部(7.2mm)で快適。
  • 耐久の強み: 強化メッシュとTPUで長持ち。ミッドフットにフォーム露出で軽量化。
  • 弱点: テクニカルな急坂や深い泥ではラグが控えめ。

耐久性が高く、長距離やハイキングにもおすすめです。

:balance_scale: 性能比較

Hierro v9を似たモデルと比較。クッションはすべてソフトで、トレイル向けですが、特徴が異なります。

モデル クッション メリット デメリット
New Balance Fresh Foam X Hierro v9 ソフト(14.6 HA) 豊富なクッション、優れたグリップ、耐久性高く長距離向き、幅選択可能 硬めで柔軟性低い、低ドロップでヒールストライカー不向き、重め(309g / 27cm US9)
Altra Experience Wild ソフト ワイドフィット、自然な低ドロップ、軽量(285g / 27cm US9) トゥボックス耐久性中程度、ナローな大つま先部
Hoka Mafate Three2 ソフト 高いスタックで保護力抜群、耐久性良い 重め(332g / 27cm US9)、ドロップ7.2mmで低ドロップ派不向き
Hoka Mafate Speed 4 ソフト 軽量でレスポンシブ、グリップ優秀 ナローフィット、ヒールカウンター柔らかめ

これらのデータから、Hierro v9はクッション重視のランナーに適し、Altraはワイド足向け、Hokaモデルはマックススタックを求める人に。

:memo: 結論

New Balance Fresh Foam X Hierro v9は、クッションと耐久性を大幅強化したトレイルシューズ。長距離やミッドフットストライカーにぴったりですが、柔軟性を求める従来ファンには変化が大きいかも。安定したグリップと保護力で、トレイルアドベンチャーを快適に。あなたはどの特徴を優先しますか? 実際に試して、自分に合った一足を見つけましょう。


参考資料