On Cloudboom Max 徹底レビュー:マラソン向けマックスクッションの価値は?

このレビューでは、Onの最新マックスクッションシューズ、Cloudboom Maxを詳しく検証します。フィット感の良さや走行性能を中心に、良い点と悪い点を分析し、他の人気モデルとの比較も交えて、日常のランニングやマラソン(約42km)での適性を評価します。クッションを重視するランナーにとって、このシューズがローテーションに加える価値があるかを検討しましょう。


:running_shoe: モデル概要

On Cloudboom Maxは、マックススタックのクッションを特徴とするロードランニングシューズです。主にゆったりとしたペースのマラソン(約4時間程度の完走を目指すランナー)向けに設計されており、ダブルレイヤーのHelion™ HFハイパーフォームがエネルギーリターンと快適性を提供します。ガラス繊維入りのSpeedboard®が効率とサポートを強化し、インパクト保護機能も備えています。

  • スタックハイト: ヒール40mm、フォアフット32mm(ドロップ8mm)
  • 重量: 27cm(US9)サイズで約296g。マックスクッションシューズとしては標準的な重さですが、長距離で影響が出やすい点に注意。
  • アッパー: 通気性の高いメッシュ素材で、ガセットタン(一体型タン)がロックダウンを確保。
  • 用途: ゆったりとしたクルージングラン(例: 約5:30/kmペース)に向き、速いペースのワークアウトには不向き。

このシューズは、足を優しく包み込む設計が魅力ですが、全体のバランスが鍵となります。


:straight_ruler: フィット感

フィット感は全体的に良好で、真のサイズ通りがおすすめです。レビュアーの場合、27cm(US9.5相当)でぴったりフィットし、長さは適度でつま先が当たる心配はありません。幅広の足にも対応し、足幅が広いユーザーでも快適に収まります。

  • 幅とボリューム: 幅広足をしっかり収容し、トゥボックスのボリュームも十分。浅すぎず、トップ部分の擦れや水ぶくれの心配なし。
  • ヒールとアンクル: ヒールスリップなし。従来のOnシューズで時折見られるアンクル周りの不快感(ボックス状のデザインによる擦れ)が改善され、より伝統的な形状に。
  • 全体の感想: マラソン(42km)のような長距離で、水ぶくれのリスクを低減。幅広足のランナーには特におすすめですが、レーシーなタイトフィットを求める場合は物足りないかも。

約42kmのテスト走行で、フィット関連の問題は一切発生しませんでした。


:+1: 良い点

このシューズの最大の魅力はアッパーとゆったりとした走行感です。暑い環境(例: ペンシルベニアの熱波)でも通気性が良く、快適に長距離をこなせます。

  • アッパーの快適性: 幅広足を優しく包み込み、ロックダウンが優秀。ガセットタンがずれを防ぎ、ヒールスリップなし。Onのロードシューズの中で最高レベルのアッパー。
  • ロール感とクルージング: ストライド時のロールがスムーズで、約5:30/kmペースのゆったりランに最適。脚を労わりながら距離を稼げます。
  • 通気性とルックス: 熱波下でも足が蒸れにくく、ピンクとイエローのカラーリングが足元で映える。見た目がモチベーションを高めます。
  • 安定性: 長いランで安定感があり、トレイルシューズ並みのクッションをロードで実現。

全体として、ゆったりペースの日常ランや回復日ランに適したシューズです。


:-1: 悪い点

一方で、ボトム部分の重さが目立ち、全体のバランスが崩れています。マックスクッションを期待するユーザーには、期待外れの部分が多いです。

  • 重さとボトムヘビー感: ボトムが重く感じ、二つの異なるシューズを履いているような違和感。アッパーは軽快なのに、フォームが重く、10kmを超えると疲労が蓄積。
  • ポップの欠如: プレートが入っているものの、推進力が弱く「ポップ」感なし。マラソン後半(約32km以降)で脚が重くなる可能性大。
  • 速いペースの不向き: ファートレック(変速走)で試したところ、シューズと闘うような感覚。密度の高いフォームが安定性を損なう場合あり。
  • マラソン適性: 4時間完走向けと宣伝されるが、重量がネック。より軽快なオプションが存在し、プレートの恩恵を感じにくい。

約42kmのテストで、クルージングは良いものの、全体として「好きだけど愛せない」印象です。


:balance_scale: 性能比較

ここでは、On Cloudboom Maxを他の人気マックスクッションシューズと比較します。クッション性、メリット、デメリットを表にまとめました。各モデルの重量は27cm(US9)サイズを基準とし、クッションは主観的な柔らかさレベル(ソフト/ミディアム/ファーム)で示します。

モデル クッション メリット デメリット
On Cloudboom Max ミディアム(Helion HFダブルレイヤー) 通気性が高く幅広足対応、クルージングのロール感優秀 重さが目立ちポップなし、長距離で疲労蓄積
Nike ボメロ Plus ソフト(ZoomX + ReactXフォーム) 軽量でバウンシー、安定性と快適性のバランス抜群(重量約281g) 耐久性がやや低め、速いペースで不安定になる場合あり
サッカニー Triumph 23 ソフト(PWRRUN+フォーム) 軽快でバウンシー、日常ランに最適(重量約263g) 幅が狭めでフィットがタイト、クッションが柔らかすぎるユーザーも
Hoka Bondi 9 ソフト(圧縮成形EVA) 超クッションで歩きやすい、幅広プラットフォーム(重量約303g) 重く感じる場合あり、レスポンスが遅めで速いラン不向き

この比較から、Cloudboom Maxは安定性重視ですが、軽量性を求めるならNike ボメロやサッカニー Triumphが優位です。一方で、Hoka Bondiはより歩きやすいクッションを提供します。


:chequered_flag: 結論

On Cloudboom Maxは、アッパーの快適さとクルージングのロール感が光るシューズですが、重さとポップの欠如がネックとなり、マラソン(42km)でのおすすめ度は中程度です。幅広足のランナーで、ゆったりペースを好むなら検討価値ありですが、全体として「良いけど最高ではない」評価。より軽快でポップのあるオプション(例: Nike ボメロやサッカニー Triumph)を検討することをおすすめします。あなたはどのシューズで次のランを楽しむでしょうか?


参考資料