このレビューでは、Brooksの軽量ランニングシューズ「Hyperion 3」を徹底的に検証します。主に日常トレーニング向けのシューズとして、前モデルとの比較を交えながら、フィット感、性能、メリット・デメリットを詳しく解説。ランナーの皆さんがシューズ選びの参考にしていただければ幸いです。
フィット感
Hyperion 3のフィット感は、サイズ通りで快適です。レビュアーはUS9.5(約27.5cm)を使用しましたが、US9(27cm)相当の標準サイズでも問題なくフィットします。足の長さはぴったりで、トゥボックスの幅が前モデルのHyperion 2よりも広めに設計されており、幅広の足にも対応しやすいのが特徴です。
トゥボックスの高さも十分で、足の甲への摩擦が少なく、ブリスターの心配がありません。特に夏場のランニングでは、汗による不快感を軽減します。全体として、日常使いに適したゆとりのあるフィットを実現しています。
- 長さ:標準サイズで最適
- 幅:幅広足に優しい
- 高さ:摩擦を防ぐ十分なスペース
これにより、長時間のランでも足が疲れにくくなっています。
メリット
Hyperion 3の最大の魅力は、DNA Flash v3フォームのクッション性です。スタックハイトが前モデルから2mm増加(踵部37mm、前足部29mm)し、よりダイナミックな走り心地を提供します。これにより、ミニマリスト寄りだった前モデルから、日常トレーニングシューズとして進化。レビュアーのトップ5デイリートレーナーに入るほどの高評価です。
走行性能も優秀で、イージーペース(約5:17〜5:35 min/km)での回復ランに最適。ペースを上げて4:21 min/km程度まで対応可能で、10km以上のロングランも快適にこなせます。約55kmのテスト走行で、安定したクッションを実感しました。
アッパー素材は通気性が高く、踵のロックダウンがしっかり。ガセット付きの伸縮性のあるタン(舌部分)が、フィットをさらに向上させます。夏の暑い時期でも足が蒸れにくく、長時間のランに適しています。また、デザインもスタイリッシュで、ブルーとレッドの配色が目を引きます。
- クッション:柔らかすぎず、日常ランにぴったり
- 汎用性:イージーからミドルペースまで対応
- 通気性:暑い環境でも快適
全体として、汎用性の高いデイリートレーナーとしておすすめです。
デメリット
一方で、アウトソールのラバーが弱点です。雨天時のグリップが不足し、滑りやすいと感じました。Hyperion Maxのような粘着性の高いラバーを採用すれば改善の余地があります。耐久性自体は問題ないものの、ウェットコンディションでの使用には注意が必要です。
また、スタック増加により重量がややアップ(US9/27cmで約232g)。前モデルに比べてミニマリスト感が薄れ、スピードワークやトラックセッションには不向きです。高速域(4:00 min/km以下)での鋭さが失われ、コーナリング時のレスポンスが劣ります。
- グリップ:雨天で滑りやすい
- 重量増:軽快さがやや損なわれる
- スピード適性:テンポラン向きではない
これらの点は、用途によってはネガティブに働く可能性があります。
前モデルとの比較
Hyperion 3は、Hyperion 2から大幅にアップデートされています。Hyperion 2は低スタック(踵部34mm、前足部26mm)でミニマリスト志向が強く、スピードワークに特化。地面の感触が強く、トラックでの高速ランに適していましたが、長距離ではクッション不足が目立ちました。
対してHyperion 3は、追加のスタックで日常トレーニング向きにシフト。重量は増えましたが(Hyperion 2: US9/27cmで約201g)、汎用性が向上し、ロングランや回復ランで優位です。ただし、Hyperion 2のファンにとっては「別物」のように感じるかも知れません。一方で、Hyperion Tempoのような高ドロップシューズが苦手なランナーには、8mmドロップのHyperion 3が新しい選択肢となります。
この進化により、より多くのランナーにフィットするシューズになりました。
比較表
| モデル | クッション | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Hyperion 3 | DNA Flash v3、37/29mm、8mmドロップ | 日常ランに最適、汎用性高く通気性良好、トップクラスのデイリートレーナー | 雨天グリップ弱、重量増でスピードワーク不向き |
| Hyperion 2 | DNA Flash v2、34/26mm、8mmドロップ | 軽量でミニマリスト、スピードワークやトラックに強い | クッション薄く長距離不向き、幅が狭め |
この表から、Hyperion 3が日常使いを強化した一方で、Hyperion 2の軽快さを失った点がわかります。
結論
Brooks Hyperion 3は、軽量デイリートレーナーとして優秀な一足です。クッションの向上と快適なアッパーが、日常のランニングをサポート。雨天時のグリップを除けば、幅広いペースに対応し、息の長いパートナーになるでしょう。特に、ミニマリストシューズからステップアップしたいランナーにおすすめです。
一方、前モデルのHyperion 2を愛用していた方は、変化に戸惑うかも。用途に合わせて選んでください。あなたはどのHyperionを選びますか? ランニングの楽しみを広げるシューズとして、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
参考資料