ニューバランス FuelCell Rebel v5 レビュー: 高速トレーナーの進化 👟🚀

ニューバランスのFuelCell Rebelシリーズは、速さを求めるランナー向けのシューズとして長年親しまれてきた。最新モデルのv5は、前作v4の魅力を継承しつつ、ミッドソールのスタックハイトを増やし、より快適で多用途な走行体験を提供する。この記事では、Rebel v5の歴史的背景からデザイン、走行性能、そして他のシューズとの比較までを詳しく分析する。日常のトレーニングからテンポ走まで対応するこのシューズが、どのように進化したかを探る。

:scroll: 歴史と進化

Rebelシリーズの起源は2019年に遡る。当初のモデルは、日常のランニングで速さを追求するランナー向けに設計され、前足部にFuelCellフォームを、後足部に標準的な硬めのフォームを組み合わせた推進力のあるライドを実現していた。この構成により、プレートなしでプレートのような感覚を得られるとして人気を博した。しかし、耐久性に課題を抱えつつも、アップテンポシューズやレース用として定評があった。v3では、より幅広いランナーにアピールするためソフト化を図ったが、これが意見を分けた。一部では快適さと汎用性を評価されたものの、オリジナルの推進力を求める声も多かった。v4では、PEBAとEVAをブレンドしたミッドソールを初採用し、柔軟でエキサイティングなスナップ感を復活させた。スタックハイトはヒール30mm、前足部24mmと低めで、軽量性を保ちつつ2024年の人気モデルとなった。ただし、タンやヒールカラー、 アッパーの緩さが改善点として指摘された。v5では、これらのフィードバックを反映し、ミッドソールに5mmのフォームを追加。ヒール35mm、前足部29mmとなり、ドロップは6mmを維持しながら全体のスタックを増やした。タンの刷新やヒールパディングの強化、アウトソールのラバー覆盖範囲拡大により、v4の弱点を克服しつつ、RebelのDNAを進化させた形だ。この変化は、シューズをより日常的なトレーナー寄りにシフトさせ、多様なペースと距離に対応する汎用性を高めている。シリーズ全体を通じて、Rebelは速さと快適さのバランスを追求し続けており、v5はその集大成と言える。

:running_shoe: デザインとフィット

Rebel v5のデザインは、前作のPhantom Fitアッパーを基調に維持されている。このアッパーは、足を包み込むようなフィット感を提供するが、スピード志向のシューズとしてはややゆったりとした印象だ。特に前足部で多少の余裕を感じるが、走行に支障をきたすほどではない。サイズ感については、最近のニューバランスの変更により、ウィメンズサイズがUK8までとなったため、UK8.5以上のランナーはメンズモデルを検討する必要がある。メンズモデルでは、トゥボックスに親指幅程度のスペースがあり、真サイズかハーフサイズアップが推奨される。タンはv4の粗末な作りを一新し、清潔で最小限のパディングを施したものに進化した。これにより、快適さが向上し、直ぐに履いて走れる即戦力となっている。ヒールカウンターもパディングを増やし、アキレス腱周りの不快感を軽減。全体として、ボックスから出してすぐに問題なく走れる快適なフィットを実現している。このデザインの選択は、Rebelの軽快さを損なわず、日常使いを考慮したものだ。ランナーがシューズに求めるのは、フィット感の安定と動きの自由度であり、v5はこれをバランスよく満たしている。

:person_running: 走行感とミッドソール

Rebel v5の走行感は、前作のスナップ感を保ちつつ、追加されたミッドソールにより変化した。FuelCellミッドソールはPEBAとEVAのブレンドで、柔らかく反応性が高いが、カーボンプレート搭載シューズほどのエネルギー返還ではない。v4がフラットでシャープなアップテンポシューズだったのに対し、v5はより活発なデイリートレーナー寄りだ。中距離走やテンポ努力に適し、長距離やプログレッシブランにも対応する。走る際には多少の努力を要するが、それがランナーとシューズのつながりを強め、ダイヤルインされた感覚を生む。ミッドソールの追加により、クッション性が増し、v4のようなボトムアウト感が uphill で軽減されている。この変化は、Rebelの魅力を多角化し、さまざまなトレーニングシーンで活用可能にした。全体のライドは流動的でコントロールしやすく、ペースの幅広さを支えている。

:counterclockwise_arrows_button: 安定性とアウトソール

安定性面では、v5はv4よりワイドなプラットフォームを採用し、ラテラルフレアを追加。これにより、ミッドソールのサイドウォールが高くなり、安定感が向上した。ヒールフレアはv4の突き出し型から丸みを帯びたベベルへ変更され、ヒールストライカーのロールをスムーズに導く。アウトソールはラバー覆盖を拡大し、耐久性を強化。これらの tweak は、シューズの汎用性を高め、さまざまな地形で信頼できるパフォーマンスを発揮する。走行中、安定性が感じられるのは、プラットフォームの幅広さとフレアの効果によるもので、ランナーのゲイトをサポートする。

:bar_chart: スペック

  • 重量: 27cm (US9) で約220g
  • スタックハイト: ヒール35mm、前足部29mm
  • ドロップ: 6mm
  • ミッドソール: PEBAとEVAのブレンドFuelCellフォーム
  • アッパー: Phantom Fit
  • アウトソール: ラバー覆盖拡大

:+1: 良い点

  • 快適で即戦力のフィット感、直ぐに走れる
  • 多様なペースと距離に対応する汎用性
  • 追加スタックによるクッション性の向上
  • タンとヒールの改善で不快感軽減
  • 軽量ながら反応性の高いライド

:-1: 悪い点

  • 前足部のアッパーがややバギー
  • v4ほどのスナップ感が薄れる
  • 極端なスピードワークには不向き

:balance_scale: 他のシューズとの比較

Rebel v5は、アシックス Novablast 5 や アディダス Adizero Evo SL と汎用性で似るが、ライドの位置づけが中間的だ。Novablast 5 より軽く機敏で反応性が高く、Evo SL よりソフトで寛容。v4とEvo SL がスピードで競合したのに対し、v5はNovablast 5 に近い。ホカ Clifton 10 や サッカニー Ride 18 よりテンポ寄りで、クッション重視のデイリートレーナーとは異なる。

項目 Rebel v4 Rebel v5
重量 約215g (27cm, US9) 約220g (27cm, US9)
スタックハイト ヒール30mm、前足部24mm ヒール35mm、前足部29mm
ドロップ 6mm 6mm
主な技術 PEBA/EVAブレンドFuelCell PEBA/EVAブレンドFuelCell(追加5mm)
特徴 スナップ感強く、アップテンポ向き クッション増し、多用途デイリートレーナー
弱点 タン粗末、ヒールパディング不足 スナップ感薄れ、アッパーバギー
モデル 特徴 弱点
ASICS Novablast 5 クッション豊富で長距離向き 重めでスナップ不足
Adidas Adizero Evo SL 軽量でスナップ強い クッション薄く厳しい
Hoka Clifton 10 最大クッションのデイリー テンポに不向き
Saucony Ride 18 バランス良いクッション 反応性控えめ

:wrench: 改善点

v5の主な改善は、ミッドソールの追加とタン・ヒールの強化だ。v4のタンは雑で、ヒールパディングが不足し、アッパーが緩かったが、これらが解消された。アウトソールのラバー拡大で耐久性も向上。全体として、v4のフィードバックを活かし、より洗練されたシューズとなった。

Rebel v5は、汎用性の高い優秀なシューズだ。ボックスアウトの快適さ、流動的なライド、多様な対応力が魅力だが、v4のスナップを求めるなら代替を検討せよ。業界では、軽量とクッションのバランスがトレンドで、Rebelシリーズはこの方向性を示す。ランナーは自身のニーズに合った進化を評価し、トレーニングの未来を考える契機となるだろう。


参考資料