導入:軽量で弾む新定番シューズの登場
ASICSのランニングシューズラインナップに、新たな風が吹いています。今回レビューするのは、2025年に登場したばかりの「Mega Blast」。これは、私のお気に入りの定番シューズ「Super Blast」の軽量・高反発バージョンとして位置づけられています。Super Blastが長距離のゆったりランに最適な「マイルージモンスター」であるのに対し、Mega Blastはより速く、楽しく走れるスーパートレーナーとして設計されています。
このレビューでは、スペックからパフォーマンス、メリット・デメリットまでを詳しく掘り下げ、両者の違いを明確に比較します。どちらも45mmの最大スタックハイトを誇る高クッションシューズですが、Mega Blastの新素材「FF TURBO+」がもたらすバウンシーな走りを体感。長ランからレースまで対応する汎用性を備えています。実際に29.0cmサイズでテストし、日常のランニングでそのポテンシャルを検証しました。価格はMega Blastが27,500円(税込)、Super Blastが22,000円(税込)と高額ですが、性能に見合う価値があるかを探ります。
これらのシューズは、ヒールストライカーからフォアフットランナーまで幅広い足型に対応。あなたの高反発シューズ選びの参考にどうぞ。
スペック概要:共通点と進化点
Mega Blastの基本スペックは、Super Blastとほぼ同じプラットフォームを基盤にしていますが、細部で明確なアップデートが見られます。
- スタックハイトとドロップ: ヒール45mm、トータル8mmドロップ。どちらも高クッションで安定した着地を実現。ドロップとは、ヒールとトウの厚みの差を指し、自然な前傾姿勢を促します。
- 重量: Mega Blastは29.0cmで275gと驚異的に軽量。Super Blastより若干軽く、ボリューム感のあるデザインながら「軽さ」を実感できます。
- アッパー素材: 薄手の織り込みメッシュで通気性が高く、レースライクなフィット。部分的に透け感があり、空気の流れが良好。タンはスエード調で柔らかく、足をしっかりホールドします。一方、Super Blastのアッパーはやや厚手で耐久性重視。
- ミッドソール: Mega Blastの目玉は新開発の「FF TURBO+」フォーム。ATP U素材を進化させたもので、プレートなしながら高い反発性を実現。Super Blastの「FF TURBO」より柔らかく、弾力性が増しています。
- アウトソール: ASICSGRIPラバー採用。Mega Blastは配置が少なく軽量化を図っていますが、Super Blastよりグリップ量が多く、耐久性が高い。
- フィットと幅: トゥーサイズで、幅広対応なし。29.0cmでぴったりフィットしましたが、Super Blastよりやや狭めです。幅広足の方は店舗試着をおすすめします。
- カラー: Mega Blastはパープル/ピンクやホワイトの2色展開。スタイリッシュでモチベーションアップに寄与。
これらのスペックから、Mega Blastは「速さ」を優先した進化形と言えます。
パフォーマンスと走行感:バウンシーで楽しいラン
実際に走ってみると、Mega Blastの魅力は「楽しさ」に尽きます。FF TURBO+の柔らかいクッションが足を優しく包み、各ストライドで前へ押し出すような反発を感じます。ロッカー形状が強く、トウオフがスムーズで、どんな足打ちタイプ(ヒール、中足、フォア)でも対応可能です。
長ランでは、45mmのクッションが衝撃を吸収し、疲労を軽減。スピードセッションやテンポランでは、非プレートながら驚異的な推進力で、3時間30分以上のマラソン向けレースシューズとして通用します。Super Blastはより硬めのライドで、ゆったりしたイージーランに適し、安定感が優位。一方、Mega Blastは「速く走りたくなる」ワクワク感が強く、ワークアウト向きです。
耐久性はまだ未知数ですが、露出したフォーム部分が懸念点。初期テストでは1,000km超のSuper Blastのようなタフネスは期待しにくいかも知れません。
メリット・デメリット:正直な評価
Mega Blastの強みは多岐にわたりますが、高価格ゆえの弱点も。
メリット
- 軽量設計: 275gの軽さが、ボリュームを忘れさせる。
- 高い反発性: バウンシーなフォームで、楽しく速く走れる。
- スムーズなトランジション: 前傾を促すロッカーで、効率的なストライド。
- レース対応力: 非プレート最速クラス。ハーフからフルマラソンに最適。
- 汎用性: イージーから閾値走までカバー。日常使いに柔軟。
デメリット
- 騒音: アウトソールが硬く、走行音がやや大きい(使用で軽減)。
- 安定性: 柔らかすぎて、捻挫リスクあり。Super Blastより不安定。
- 幅の狭さ: 狭足向け。広足は注意。
- 価格の高さ: 27,500円は日常シューズとしてハードルが高い。
全体として、メリットが上回るポテンシャルですが、安定性を求めるランナーにはSuper Blastが無難です。
Super Blastとの比較表:選び方のポイント
両者の違いを一目で把握できるよう、キー項目を表にまとめました。Mega Blastは「速さと楽しさ」、Super Blastは「耐久と安定」を重視する場合に分かれます。
| モデル | 重量 (g, 29.0cm) | クッション性 | 価格 (JPY) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| Mega Blast | 275 | 柔らかくバウンシー | 27,500 | 軽量・高反発・レース向き | 安定性低・狭め・高価 |
| Super Blast | 約280 | 硬めでレスポンシブ | 22,000 | 耐久性高・安定・長距離向き | 硬く感じる・重め |
価格は公式MSRPに基づきます。 Mega Blastの新フォームが反発を向上させていますが、Super Blastの堅牢さが日常使いで勝るでしょう。あなたは速さを優先しますか?それとも耐久性を?
結論:用途で選ぶのがベスト
Mega Blastは、Super Blastの「弟分」としてではなく、独自のポジションを確立したシューズです。柔らかく弾むライドが魅力で、長ラン・ワークアウト・中長距離レースにぴったり。私のローテーションでは、Super Blastをイージーマイルに、Mega Blastをスピードセッションに使い分けています。価格が高い分、頻繁な使用でコスパを最大化しましょう。
Super Blastが硬めで耐久志向のランナー向けなら、Mega Blastは「走る楽しさ」を求める方に。次世代Super Blast 3の登場も楽しみです。どちらもASICSのクッション技術の粋を集めていますが、まずは店舗で試着を。あなたのランニングライフをアップグレードする一足になるはずです。何か質問があれば、コメントでどうぞ!


