導入
HOKAのBondiシリーズは、最大級のクッション性を誇るランニングシューズの定番として、長年ランナーから支持されてきました。初代Bondiが登場した2000年代後半、当時のミニマリストなシューズトレンドを覆す厚底デザインで注目を集めました。現在はVersion 9となり、前モデルVersion 8から大幅にアップデートされています。このレビューでは、Bondi 9の特徴、性能、フィット感を詳しく解説し、他の人気モデルとの比較も行います。日常のイージーランやリカバリーラン、長距離走に適したシューズとして、堅実な保護性と安定性を求めるランナーにおすすめです。堅めの乗り味が特徴ですが、徐々に柔らかくなる特性も魅力。価格は日本での公式発売価格が24,200円です。ランニング初心者からベテランまで、快適さを重視する方に参考になる内容をお届けします。
モデル概要
HOKA Bondi 9は、高いクッション性を備えたデイリートレーナーシューズです。主な用途はイージーラン、リカバリーラン、長距離ラン、そして日常のウォーキングや立ち仕事。ニュートラルタイプで、プレートは搭載されていません。ミッドソールにはスーパークリティカルEVAフォームを採用し、HOKA Mach 6と同素材ですが、Bondi 9の方がより厚く積層されているため、ボリューム感があります。アウトソールはDurabrasionラバーで、グリップ力は良好ですが、耐久性は標準的。幅はレギュラー、ワイド、エクストラワイドの3種類から選べ、足幅が広い人にも対応。オールブラックカラーは、仕事用としても人気です。サイズ感は標準的で、フィットが良好です。
Bondi 8との変更点
前モデルBondi 8から2年ぶりのアップデートで、いくつかの歓迎すべき変更があります。まず、ミッドソールが旧来の圧縮成型EVAからスーパークリティカルEVAに刷新され、軽量化と柔軟性が向上。重量は30cmでBondi 8の380gから363gへ17g減少しました。スタックハイトは2mm増加し、ヒール部43mm、ドロップ5mmに。ヒール部分のデザインが更新され、フレア形状でアキレス腱の快適性が向上。アッパーはエンジニアードニットメッシュに変わり、通気性とフィット感が改善。ただし、価格は15%上昇し、日本での公式価格はBondi 9が24,200円に対し、Bondi 8の発売時価格は推定22,000円程度でした。全体として、走行時のスムーズさと軽快さが大幅に進化しています。
スペック詳細と性能
- 重量: 363g(サイズ30cm、標準幅)
- スタックハイト: ヒール43mm、フォアフット38mm(ドロップ5mm)
- アッパー: エンジニアードメッシュ、非ガセットタン(ずれにくい)
- ミッドソール: スーパークリティカルEVAフォーム(堅めだが徐々に柔らかくなる)
- アウトソール: Durabrasionラバー(最小限のカバーでグリップ良好、冬道も対応)
- 価格: 24,200円(日本公式)
- 用途: イージーペースのラン、ウォーキング、ジムワーク(安定したプラットフォーム)
性能面では、ロッカー形状がペースアップを助け、スムーズなトランジションを実現。クッションは堅めで、保護性が高く、長時間使用に適しています。スタビリティが高く、足がフォームに沈み込む感覚で滑りやホットスポットが発生しにくい。ヒールロックレーシングも効果的で、ヒールスリップを防ぎます。ただし、ジムではスタックハイトが高すぎる場合があるので注意。
良い点
Bondi 9の強みは、日常使いの快適さと安定性にあります。
- 軽量化とスムーズな乗り味: 前モデルより軽く、重量配分が改善。ロッカーが機能し、ペースを上げやすい。
- 優れたフィットとロックダウン: やや狭めのフィットだが、幅オプション豊富。アキレス腱周りのクッションが良好で、擦れなし。
- 安定性と全日快適: フォームが足を包み込み、長時間のランや立ち仕事で疲労を軽減。ジムやカジュアルユースにも対応。
- グリップ力: 最小限のラバーながら、UK冬道で十分なトラクションを発揮。
これにより、重めのランナーや長距離志向の人に特におすすめです。
悪い点
一方で、完璧ではない点もあります。
- 堅めのクッション: 最初は固く感じ、ソフトなマシュマロライドを求める人には不向き。時間とともに柔らかくなりますが、New Balance Moreのような即時の柔らかさはない。
- スピード向きではない: 高速ランには不向き。イージーペース専用で、軽快さはMach 6に劣る。
- 耐久性: アウトソールラバーが少ないため、高耐久とは言えず。
- 価格の高さ: 24,200円と高めで、革新的な機能が少ない点が気になる。
これらは観察点として、用途に合えば問題ありません。
他のシューズとの比較
Bondi 9を前モデルや競合と比較します。以下は主なスペックをまとめた表です。重量は男性標準サイズUS9 (27cm) 基準の目安値を使用。
| モデル | 重量 (g) | クッション性 | 価格 (JPY) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| HOKA Bondi 9 | 約310 | 堅め(保護重視) | 24,200 | 安定性高く、長時間快適。軽量化でスムーズ | 最初固く、スピード不向き |
| HOKA Bondi 8 | 約330 | 堅め(旧フォーム) | 約22,000 | 耐久性標準、保護性良い | 重く、乗り味が硬い |
| HOKA Mach 6 | 約200 | 中間(レスポンシブ) | 17,600 | 軽量でテンポラン向き | クッション薄め、長距離不向き |
| New Balance Fresh Foam X More v4 | 約300 | ソフト(Squishy) | 15,800 | 即時の柔らかさ、リカバリー最適 | 安定性やや劣る |
| HOKA Skyward X | 約320 | ソフト(プレート搭載) | 35,200 | 豪華クッション、推進力強い | 高価、重め |
Bondi 9は堅めの安定性を求める人に適し、ソフト派ならMoreやSkyward Xを検討を。一方で、軽快さを求めるならMach 6が良い選択です。
結論
HOKA Bondi 9は、2025年のランニングシーンで堅実な選択肢です。前モデルからのアップデートで軽くスムーズになり、長距離や日常使いで信頼できる保護性を発揮。ただし、ソフトさを優先するならNew Balance MoreやHOKA Skyward Xをおすすめ。価格24,200円は少し高めですが、アップグレード価値あり。幅広い足型対応と安定性が魅力で、重めランナーやウォーカーに向きます。あなたに合ったシューズを選んで、快適なランを楽しんでください。




