はじめに
ASICSのNovablastシリーズは、数年にわたり最高のデイリートレーナーとして確固たる地位を築いてきました。特にバージョン4は、シンプルで手頃な価格が魅力で、多くのランナーに推奨されてきました。今回、バージョン5が登場し、ミッドソールフォームの更新やアッパーの改良により、さらに進化を遂げています。このレビューでは、バージョン5の特徴を詳しく検証し、前モデルとの違いを比較します。主にロードランニング向けのこのシューズは、日常のトレーニングからロングランまで対応可能。重量、クッション性、フィット感などを中心に、実際の使用感を基に解説します。価格面では、日本での公式発売価格は16,500円と、手頃な設定が継続されています。これにより、幅広いランナーがアクセスしやすくなっています。全体として、バージョン5は安定したライドとバウンスを提供し、日常使いに最適です。一方で、ウェットコンディションでのグリップに課題が残ります。以下で詳細を掘り下げていきましょう。
モデル概要とスペック
Novablast 5は、プレミアムなデイリートレーナーとして設計されており、さまざまなペースのランに対応します。7〜8/10レベルの汎用性が高く、1足でローテーションをカバーできるのが魅力です。ロングランにも使用可能で、距離を問わず活躍します。
主なスペックは以下の通り：
- スタックハイト: ヒール41.5mm、ドロップ8mm（前モデルと同一）。
- 重量: 29.5cmで302g、27cmで255g。ほぼ前モデルと同じ軽量感。
- 安定性: ニュートラル。
- アッパー: エンジニアードジャカードメッシュで通気性向上。
- ミッドソール: 新しいFF Blast Maxフォーム。バージョン4のFF Blast Plus Ecoより柔らかく、軽量。
- アウトソール: AHAR低密度ラバー（パターン更新）。
- 幅: 標準幅のみ。多様なカラーバリエーション。
- 価格: 日本公式16,500円。
サイズ感は前モデル同様、ハーフサイズダウンが推奨されます。日本サイズで考えると、通常の足型であれば問題なくフィットします。このシューズはプレートなしですが、適度な剛性があり、スムーズなトランジションを実現します。
前モデルとの変更点
バージョン5の主なアップデートは、ミッドソールのフォーム変更です。FF Blast Maxは前モデルのFF Blast Plus Ecoより柔らかく、軽量化されています。これにより、クッション性が向上し、衝撃吸収が良くなりました。一方、レスポンシブさは維持されており、ペースアップ時にも対応します。
アッパーは新しいエンジニアードジャカードメッシュを採用し、通気性が向上。レーシングシステムも改良され、部分的にガセット付きのタンがずれを防ぎます。アウトソールのパターンは更新されたものの、ラバー素材は同一で、耐久性に変化はありません。
重量とスタックはほぼ同一ですが、フィットは少しワイドに。狭い足型のランナーは注意が必要です。全体として、バージョン4の堅めのライドを好むなら前モデルを継続、それ以外は5の柔らかさがおすすめです。
メリット
Novablast 5の強みは多岐にわたります。
- 安定したスムーズなライド: バウンシーでクッション豊か。ロングランで脚を保護し、ロックカーがスムーズなトランジションを促します。イージーペースからペースアップまで対応。
- 価格の価値: 日本価格16,500円は競合より安価。ビルドクオリティが高く、コスパ抜群。
- 快適なフィット: 新しいレーシングとタンでロックダウン良好。ヒールパッドが適度で、ブリスターなし。通気性が高く、温暖な気候に適す。
- クッション vs 重量のバランス: Superblast 2（24,200円）のように軽量で高スタック。300g前後で十分なクッションを提供。
- 汎用性: 2〜3kmのジョグから30〜40kmのロングラン、スピードセッションまで。1足で多様なトレーニングをカバー。
これらの点から、日常のランナーに最適です。
デメリットと観察点
一方で、いくつかの課題もあります。
- ウェットグリップの悪さ: アウトソールが滑りやすい。バージョン4より悪化の可能性あり。ドライ環境限定で使用を推奨。トレイルバージョンのTRが冬用として期待されます。
- フォームの柔らかさ: 柔らかくなった分、バージョン4の堅めライドを好む人には不向き。慣れが必要。
- 幅の広さ: ワイド寄りで、狭足ランナーには緩く感じるかも。
これらは好みによる部分が多く、全体の満足度を下げるものではありませんが、購入前に試着をおすすめします。
比較テーブル
主要モデルを比較します。重量は日本サイズ約27cm基準、クッション性は主観評価（ソフト/ミディアム/ファーム）。
| モデル | 重量 (g) | クッション性 | 価格 (JPY) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| Novablast 5 | 255 | ソフト | 16,500 | 汎用性高く、コスパ良。バウンシーで快適。 | ウェットグリップ弱。 |
| Novablast 4 | 260 | ミディアム | 13,980 (現在価格) | 堅めライドで安定。軽量。 | 柔らかさ不足、グリップ同等。 |
| Superblast 2 | 250 | ソフト | 24,200 | 高スタックで軽量。レスポンシブ。 | 高価格、Novablastより硬め。 |
このテーブルから、Novablast 5は価格とバランスの良さが際立ちます。Superblast 2はプレミアム志向向けです。
結論
ASICS Novablast 5は、前モデルの良さを継承しつつ、柔らかいフォームでアップデートされた優れたデイリートレーナーです。汎用性が高く、1足でさまざまなランをこなせ、コスパも抜群。グリップの弱さを除けば、初心者から中級者に特におすすめです。バージョン4を好むなら在庫を確保を、それ以外は5へのアップグレードを検討してください。Superblast 2との比較では、予算を抑えたい場合にNovablastが勝ります。Adidas Adizero Evo SL（19,800円）のような新モデルも注目ですが、Novablastの安定感は魅力です。あなたに合ったシューズを選んで、快適なランニングを楽しんでください。
