はじめに
ASICSのMega Blastは、Super Blastシリーズの本来のコンセプトを体現したシューズとして注目を集めています。このレビューでは、Super Blast 2を起点にMega Blastの特徴を詳しく解説します。Super Blastはもともとマラソン向けの非プレートトレーナーとして設計されましたが、多くのランナーが最大クッションの万能シューズとして使用していました。しかし、Super Blast 2では快適性が向上した一方で、シャープさが失われた感があります。そこで登場したMega Blastは、Super Blast 1のレース志向を復活させ、よりパフォーマンス指向のトレーニングシューズに仕上がっています。スペックはヒール45mm、フォアフット37mmの8mmドロップ(実感6-8mm)で、重量は27cmで約220gと軽量。新しいFF Turbo Squaredフォームを採用し、レスポンシブで快適なライドを実現します。この記事では、フィット、ミッドソール、アウトソールなどを分析し、Blastシリーズ内の位置づけを比較します。ランナーの皆さんが最適なシューズを選ぶ参考になれば幸いです。
シューズのスペックと全体像
Mega Blastは、ASICSが開発したトレーニング専用フォーム、FF Turbo Squaredをフル搭載したモデルです。ヒールスタック45mm、フォアフット37mmでドロップは8mmですが、実際のフィーリングは6mmに近く、低ドロップのように感じられます。重量は公式230gですが、実測では27cmで220g以下と非常に軽いです。この軽さは、大型シューズとは思えないほどです。
ライドのプロファイルはスプリングのようなレスポンシブさで、沈み込みが少なく、パフォーマンス志向。トレーニングフォームなので、レースレベルではないものの、回復ランからテンポランまで対応します。耐久性も高く、50マイル走行後も劣化が見られません。全体として、保護性とパフォーマンスのバランスが優秀です。
アッパーとフィット
アッパーはエンジニアドメッシュで、Magic Speed 3と同じ素材を使用しているようです。これはMotion Wrap 1.0のトレーニングバリエーションで、パフォーマンスフィットながら快適です。通気性が良く、ホットスポットなし。アイレットチェーンはシンプルでロックダウンが良好です。
舌は薄いが上部にパッドがあり、ASICSのギザギザレースは濡れても緩みにくい。ただし、レースが長めなので調整が必要です。踵部はパッドが厚く、Achillesフレアがしっかりしていますが、素材が粗く、低ソックスで擦れやすい点に注意。3-4回のランで馴染むので、初めはアンクルソックスをおすすめします。
フィットはSuper Blast 1に似て、パフォーマンス指向。幅は狭めでストレッチなしなので、ワイドフットには不向き。フォアフットにボリュームがあり、真サイズ(27cm相当)でOK。つま先スペースがやや多めですが、ロックダウンが良いので問題ありません。
ミッドソールとライド
ミッドソールのハイライトはFF Turbo Squared。ATPUベースの新トレーニングフォームで、硬めクッションですがハーシュさはなく、安定感があります。Light Strike Pro Classicに似て、着地後の急激なエネルギーリターンが特徴。ただし、トレーニング向けなのでレジリエンスはレースフォームより低めです。
初めはFF Turboのように硬く感じますが、走ると違いがわかります。20マイルで馴染み、流れるようなフィーリングに。グラウンドフィールがあり、プロプリオセプションが良好です。ロッカーはMetaspeed SkyとEdgeの中間、フォアフットの前端に位置し、多様なフットストライクに対応。安定性が高く、幅広ベースとサイドウォールでマックススタックでも揺れません。
ライドは驚くほど汎用性が高く、回復ランから400mインターバル(3:30/kmペース)まで自然。安定性でダウンヒルも優秀。フォームが変化せず、連日使用でもフレッシュです。Super Blastの汎用性を初めて実感できるシューズです。
アウトソールと耐久性
アウトソールはASICS Gripラバーで、露出フォームが多いですが、耐久性が高いです。50マイル(主に舗装路、荒れたコンクリート含む)で摩耗なし、変色のみ。グリップは抜群で、ドライ/ウェット問わず最高レベル。音が大きめですが、問題ありません。
軽量化のためラバーを削減しましたが、FF Turbo Squaredの耐久性が優秀。全体の耐久性が高く、長持ちします。
Blastシリーズ比較
BlastシリーズはDaily(Nova Blast)、Performance(Sonic Blast, Mega Blast)、Race(Metaspeed)と階層化。Mega Blastはバウンス重視でMetaspeed Sky Tokyoに繋がり、Sonic Blastはロール重視でEdge Tokyoに。
Super Blast 2は長距離トレーナーとしてどちらにも対応ですが、Mega BlastはSuper Blast 1のエッジを復活。2026年のSuper Blast 3(FF Leap搭載)はよりパフォーマンス指向になり、差別化が進むでしょう。
Mega BlastはNova BlastやSuper Blastを不要にするほど汎用性が高く、Metaspeed Skyとの2足ローテが理想。
| モデル | 重量 (g) | クッション性 | 価格 (JPY) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| Mega Blast | 220 | FF Turbo Squared (レスポンシブ・安定) | 27,500 | 汎用性高く軽量、耐久性優秀 | アッパー擦れの可能性、幅狭め |
| Super Blast 2 | 約250 | FF Turbo Plus + FF Blast Plus Eco (快適・柔らかめ) | 24,200 | 快適アップグレード、長距離向き | スラッピー、シャープさ不足 |
| Nova Blast 5 | 約255 | FF Blast Max (バウンシー) | 16,500 | 日常トレーナー、安価 | パフォーマンス低め |
| Sonic Blast | 約240 | FF Turbo Squared + FF Blast Max (ロール重視) | 22,000 | テンポラン向き、プレート搭載 | 上質さ劣る |
結論
Mega BlastはASICSの新フォームでトレーニングの常識を変えるシューズです。Super Blastの汎用性を超え、保護性とパフォーマンスを両立。価格は27,500円とやや高めですが、割引が見られる場合が多いです。日常から高速ワークまで対応し、Metaspeedとの組み合わせでミニマルローテが可能。耐久性と安定性が魅力で、脚の負担が少ない点も優秀。Nike Vomero Plusとの比較も予定ですが、Mega Blastはレース志向のランナーにおすすめ。あなたはどのBlastを選びますか?

