はじめに
Saucony Triumph 23は、同社のプレミアムデイリートレーナーとして長年愛されてきたモデルで、23番目のバージョンです。過去数年で評価が揺れていた中、この最新版はフルPEBAフォームのPower Run PBミッドソールを採用し、より軽く、柔らかく、レスポンシブな乗り心地を実現しました。ヒールスタック37mm、ドロップ10mm（フォアフット27mm）とやや高いドロップが特徴で、市場の主流である6-8mmより急な角度です。重量は約272g（USメンズサイズ9相当、27cm）と軽量で、日常トレーニングやリカバリーランに適しています。
このレビューでは、シューズのトップからボトムまでを詳しく解説し、価格や競合モデルとの比較を交えて、購入を検討するランナーに向けた情報を提供します。特に、柔らかいクッションと安定感のバランスが魅力で、ヘビーランナーでも扱いやすい点がポイントです。暖かい気候ではアッパーが少し蒸れやすいですが、全体として快適なステップインフィールが楽しめます。Triumph 22の硬いEVAブレンドから大幅アップデートされ、より楽しいランニング体験を提供します。
モデル概要
Saucony Triumph 23は、プレミアムデイリートレーナーとして位置づけられ、Ride 18の上位モデルです。ヒールスタック37mm、フォアフット27mm、ドロップ10mmと、市場平均より高いドロップを採用しています。これにより、急なヒールピッチが自然なトランジションを促し、フラットなフォアフットで機敏な感覚を与えます。
ミッドソールは更新されたPower Run PBフォームで、フルPEBA素材を使用。Triumph 22のEVA/PEブレンドより軽く柔らかく、レスポンシブに進化しました。重量はUSメンズサイズ9（27cm）で263gと軽量で、Nova Blastのような汎用性のあるデイリートレーナーと競合します。アッパーは厚めのダブルレイヤーメッシュで、パディング豊富なヒールカウンターとタングが快適なフィットを確保。サイズは真サイズ推奨で、標準的な足幅に適合しますが、ワイドフットには不向きです。
アッパーとフィット
アッパーは厚みのある快適な素材で、ステップインフィールが抜群です。ダブルレイヤーのような織り込みメッシュが柔らかく、ヒールカウンターは剛性が高く強化され、アンクルカラーをしっかりロックダウンします。パディングはアンクルからタング、アイレットチェーンまで豊富で、ガセットは優しく足のトップを圧迫しません。
アイレットチェーンにはラミネーションが施され、柔らかいアッパーながらしっかりしたロックダウンが可能です。メッシュは柔らかですが、暖かい季節では少し蒸れやすいです。フィットは真サイズ（USサイズ基準、27cm相当）で、トゥボックスは丸みを帯び、軽いストレッチ性があります。Saucony、ASICS、Nikeの他のモデルと同様のサイズ感で、標準足幅に適しています。
ミッドソールとライド
ミッドソールのPower Run PBフォーム更新が最大の変更点で、柔らかくコンプレッション性が高く、軽やかでスムーズなトランジションを実現します。イージーランやリカバリーランに最適で、日常ペースでも自信を持って使えます。柔らかさは1080やNimbusのようなマシュマロ感ではなく、PBフォームのバウンスでテンポゾーンまで対応します。
安定性は広く大きなサーフェスエリアで確保され、ソフトフォームながらコントロール感があります。10mmドロップはアグレッシブなヒールベベルと相まって、クランキーさを感じさせず、自然にフォワードへ導きます。ロッカーなしのフラットフォアフットが機敏さを与え、道路とのつながりを保ちます。今年の快適シューズとして、リカバリーランで特に活躍します。
アウトソールと耐久性
アウトソールはフォアフットにアグレッシブなトレッドと厚いラバー覆盖で、耐久性が高く、ウェットサーフェスや軽いトレイルでグリップを発揮します。ミッドフットに露出チャネルがありますが、耐久性は良好です。Power Run PBフォームはビード状で汚れが付きやすいですが、全体の耐久性は高く、600-700km持つ見込みです。
ソフトフォームのため、硬いフォームより早く圧縮する可能性がありますが、ビード構造でZoomXより長持ちします。過去のPBフォーム経験から、900km以上持ったモデルもあり、平均以上の耐久性を期待できます。
価格と価値
日本での公式発売価格は37,847円です。 プレミアムデイリートレーナーとして妥当ですが、Evo SLやVelocity Nitro 4のような低価格モデル（Velocity Nitro 4は14,300円）が同様のPEBAフォームを提供する中、競争力が課題です。Sauconyは技術のトリクルダウンが遅く、2025年でようやくフルPBミッドソールを導入しましたが、3年前に実現可能でした。将来的に価格調整か新モデルが必要かもしれません。
比較
Triumph 23は361 Eleos、Puma Magnify Nitro 3、New Balance 1080 v14と似たソフトPEBAミッドソールを持ちますが、価格で劣勢です。Eleosはより軽くレスポンシブで、Magnify Nitro 3は狭いフィットながらグリップが優秀。1080 v14は重めですが、プレミアム体験で優位です。
| モデル | 重量 (g) | クッション性 | 価格 (JPY) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| Saucony Triumph 23 | 263 | ソフトでレスポンシブなPEBAフォーム | 26,400 | 快適なアッパー、スムーズなトランジション、安定性 | 価格が高い、蒸れやすい |
| 361 Eleos | 280 | スーパークリティカルPEBA、軽やかでワイドベース | 15,400 | 価格が安い、レスポンシブ、快適 | 知名度低い |
| Puma Magnify Nitro 3 | 264 | フルPEBA、ソフトでスムーズ | 24,000 | グリップ優秀、価格バランス良い | ナローなフィット |
| New Balance 1080 v14 | 285 | フレッシュフォームX、プラッシュで安定 | 19,800 | プレミアム体験、息抜きしやすい | EVAベースでレスポンシブ不足 |
Saucony Triumph 23は快適でスムーズなデイリートレーナーとして成功していますが、PBフォームの導入が遅れた点が惜しまれます。低価格競合が増える中、割引で入手すればおすすめです。リカバリーランに最適で、歴史あるモデルとして継続を望みます。あなたはどのシューズを選びますか？
