はじめに
新興ランニングシューズブランド、Mount to Coastが展開するH1モデルをレビューします。このシューズは、ロードとトレイルのハイブリッドとして設計されたウルトラマラソン向けのモデルで、革新的なCircle Cellミッドソール技術を採用しています。BASFとの共同開発によるバイオベースのスーパーフォームは、優れた反発性と耐久性を発揮します。
スペックとして、ヒール部35mmのスタックハイト、6mmドロップを備え、27cm(US9)サイズで約242gと軽量。フルカバーのラバーアウトソールと堅牢なアッパーを組み合わせ、258g(サイズ10.5)の重さでも優れたパフォーマンスを実現しています。私は3週間で65kmを走行し、ロードから軽めのトレイルまでテストしました。全体的にシンプルで効果的な設計が印象的で、日常トレーニングから長距離ランまで幅広く対応します。この記事では、フィット感、ライドの感触、耐久性、そして他モデルとの比較を詳しく解説します。ランナーの皆さんが最適なシューズを選ぶ参考になれば幸いです。
シューズの概要
Mount to Coast H1は、ロードとトレイルの両方をカバーするハイブリッドシューズです。ミッドソールには独自のCircle Cell技術を搭載し、バイオベースのスーパーフォームを使用。AdidasのLightstrike Proに似たパンチのある反発性が特徴で、TPUまたはTPEベースの素材と推測されます。
- スタックハイト: ヒール35mm、フォアフット29mm(6mmドロップ)
- 重量: 27cm(US9)で約242g(公式データに基づく)
- アウトソール: Versa Gripと呼ばれるラバーで、2-3mmのラグ深さ。グリップ力が高く、耐久性に優れる
- 用途: ウルトラマラソン、日常トレーニング、軽めトレイルに最適
このシューズは、余計なギミックを排除したシンプルなジオメトリーを採用。幅広いペースに対応し、安定した走りをサポートします。トレイルではグリップが利き、ロードではスムーズな転がりを発揮します。
アッパーの特徴
アッパーはシンプルで効果的な設計が魅力です。ヒールカウンターはベース部に適度な剛性を持ち、パディングは控えめ。ガセットタンが両側に付き、中央にレースループを備え、ずれを防ぎます。
- フィットシステム: Tuned Fitと呼ばれる調整可能システム。ワイヤースライダーで足底部をカスタマイズ可能。ミッドフットを締め、踵部を緩めるなど、個別のフィット調整が容易
- 素材: 上部はスエード風オーバーレイ、下部はナイロン製メッシュ。通気性が高く、伸縮なしで耐久性良好。トゥオーバーレイがトレイルでの保護を強化
- サイズ感: 標準フィット。27cm(US9)でトゥボックスに適度なスペース。幅広足には不向きだが、標準足型にフィット
全体として、ロックダウンが優れ、トレイルでも安定。調整性が高く、快適なフィットを追求できます。
ミッドソールの性能
Circle Cellフォームは、パンチのあるレスポンスが魅力。Lightstrike Proに似た深い反発性を持ち、初期の柔らかさは控えめでポップな感触です。
- ライドの感触: ロッカーは控えめで、バウンスベース。ミッドフット着地で圧縮・反発が心地よい。長距離でフォームが温まるとスムーズに
- ペースレンジ: 閾値走、テンポ、マラソンペースに最適。スプリントや超スローランは不向きだが、日常トレーニングで優秀
- トレイル対応: ダートや軽めトレイルでグリップが活きる。テクニカルな地形は苦手だが、安定性が高い
Nova BlastやRebelのような柔らかいクッションを好む人には固めに感じるかも。ただし、Adios 9とEvo SLの中間的なバランスが魅力です。
アウトソールのグリップと耐久性
Versa Gripアウトソールは、CPUベースのラバーで粘着性が高い。ロードでは摩擦が少なく、トレイルでグリップを発揮します。
- グリップ: グラベルや軽めトレイルで優位。2-3mmラグが泥や岩を除く地形で有効
- 耐久性: 高速セッションでも摩耗少なく、PEBAの2倍の耐久性を主張(600km以上持続可能)。フォームのクレースは柔軟性によるもので、劣化ではない
- 汎用性: ロードシューズよりグリップが高く、トレイルシューズより軽快。農道やグラベルに最適
耐久テストで65km後も良好。長期使用で1,200kmを目指せそうです。
比較レビュー
H1を他モデルと比較します。Evo SLは似た軽量性だが、H1の方が安定とグリップで優位。Adios 9はフラットで柔軟、H1は保護性が高い。Salomon Aero Glide 3 Gravelは保護重視だが、H1の方が軽量で汎用。
| モデル | クッション | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Mount to Coast H1 | 35mmヒール、6mmドロップ | ハイブリッド対応、調整可能フィット、耐久性高 | 幅広足に不向き、超スロー不向き |
| Adidas Adizero Evo SL | 36mmヒール、6mmドロップ | 軽量(約224g)、バウンシー | フィットが緩め、トレイル弱い |
| Adidas Adizero Adios 9 | 28mmヒール、7mmドロップ | 超軽量(約176g)、スピード向き | 保護性低、トレイル不向き |
| Salomon Aero Glide 3 Gravel | 高いスタック、8mmドロップ | 保護性高、グラベル特化(約248g) | 重め、汎用性低 |
| Adidas Terrex Agravic Speed Ultra | 42mmヒール、8mmドロップ | トレイル耐久、Lightstrike Pro(約259g) | ロードで重く感じる |
H1はこれらの橋渡し役として優秀です。
結論
Mount to Coast H1は、シンプルさと汎用性が光る一足です。ロードからトレイルまで対応し、ウルトラランナーや日常使いに最適。優れた反発性と耐久性で、長距離を快適にサポートします。フィット調整が容易で、安定したライドが魅力。他モデル比でグリップとバランスが優位。旅行や週末ランにぴったりで、今年のベストシューズ候補です。トレイル要素を求めるランナーにおすすめ。あなたはどの用途で使いますか? コメントでシェアしてください。