はじめに
トレイルランニングシューズの進化は目覚ましく、特にKailasのFugaシリーズは注目を集めています。この記事では、Kailas Fuga EX Proの初回レビューを中心に、同ブランドのFuga EX 330との比較を行います。Fuga EX Proは、パフォーマンス志向のトレイルレーサーで、X字型のフルレングスカーボンプレートをスーパークリティカルTPUフォームミッドソールに搭載。柔軟性と推進力を両立させた設計が特徴です。一方、Fuga EX 330は、330kmのウルトラレースに着想を得たモデルで、クッション性とグリップに優れ、長距離向けのバランスが魅力。ビデオ字幕に基づき、シューズの構造、フィット感、トレイルでのパフォーマンスを詳しく分析します。これにより、トレイルランナーが自分に合ったシューズを選ぶ参考になれば幸いです。カーボンプレートの必要性についても、実際の走行感から考察します。
モデル概要
Kailas Fuga EX Proは、トレイルレース向けの高性能シューズです。ミッドソールにX字型カーボンファイバープレートを一体化し、フルレングスのスーパークリティカルTPUフォームを採用。これにより、弾力性のあるエネルギーリターンを提供します。スタックハイトはヒール35mm、フォアフット30mmで、ドロップは5mm。重さは27cm(US9)で約272gと軽量です。
一方、Fuga EX 330は、長距離ウルトラ向けのモデル。330kmレース「Tor des Géants」にインスパイアされ、快適さとパフォーマンスのバランスを重視。ミッドソールはスーパークリティカルEVAフォームで、スタックハイトはヒール39mm、フォアフット34mm、ドロップ5mm。重さは27cm(US9)で約285g。 カーボンプレートは搭載せず、自然な柔軟性を保っています。
これらのモデルは、Kailasのトレイルシューズラインアップの代表格で、共通してVibram Megagripアウトソールを採用。耐久性とグリップを高めています。
アッパーの特徴
Fuga EX Proのアッパーは、XDメッシュ素材を使用。軽量で通気性が40%向上、耐久性も優れています。トゥバンパーで前足部の保護を強化し、AWS 3.0レーシングシステムを搭載。これは2セクションの調整が可能で、足に合わせたセキュアなフィットを可能にします。ラングにはストレッチネオプレーンを採用し、薄めながらパッドを追加。ヒールカラーは適度なパッドで剛性が高く、サポート性を確保。オーバーレイで全体の耐久性を高め、夜間走行用のハイビジビリティ要素も備えています。ゲーターアタッチメントシステムも3ポイントで便利。
Fuga EX 330も同様にXDメッシュアッパーを採用し、通気性と軽量性を重視。耐久性が20%向上し、重量を37%削減。AWSシステムでフィットを調整可能で、長距離での快適さを追求しています。
両モデルとも、トレイル環境に耐えうる耐久性を持ちながら、息苦しさを感じにくい設計です。
ミッドソールの性能
Fuga EX Proのミッドソールは、スーパークリティカルTPUフォームが春のような反発力を発揮。X字型カーボンプレートを一体化していますが、ミッドフットで柔軟性を保ち、トレイルの凹凸に適応。硬すぎず、推進力と地面感覚のバランスが良いです。テストランでは、平坦なグラベルやテクニカルなルートでレスポンシブに感じられました。カーボンプレートの恩恵は、速いペースで推進力を感じるものの、平均的なランナーにはトレイルで必須とは言えないかも。
Fuga EX 330のミッドソールは、スーパークリティカルEVAフォームで、クッション性を21%厚くし、リバウンドを23%向上。カーボンプレートなしで自然な柔軟性があり、快適さとパフォーマンスのバランスが抜群。約64kmの走行で、疲労を軽減し、接続感が強いです。
EX Proはレース向きのレスポンス、EX 330は長距離の快適さを重視した違いが明確です。
アウトソールのグリップ
両モデルともVibram Megagrip Litebaseラバーを使用し、ウェット/ドライの岩場で優れたグリップを発揮。Fuga EX Proは5つの別ゾーン設計で、ラグ深さ4-6mm。ヒール外側に深い逆向きラグでダウンヒル tractionを強化、フォアフットに前向きラグでアップヒルや平坦をサポート。ルーズグラベルやウッドエリアで効果的。
Fuga EX 330も同様のVibram Megagripを採用し、5ゾーンラグで全地形対応。トラクションラグ技術でグリップを25%向上、Litebaseで軽量化。テストでは、ウェットロックやテクニカルトレイルで粘り強く、ブランド史上最高のアウトソールと評価。
共通して、トレイルの多様な地形で信頼できるグリップを提供します。
フィットと快適性
Fuga EX Proは、真サイズ推奨。UK9.5(約28cm)で長さがぴったり、幅は平均的。ミッドフットロックダウンとヒールホールドが良好で、中幅・中アーチの足に適応。ヒールカップの剛性はサポート性が高く、8マイル(約13km)の初回ランで問題なし。テクニカルルートで機敏に感じられ、レスポンシブ。
Fuga EX 330も同様のフィットで、中狭幅向き。フォアフットにボリュームがある足には狭く感じるかも。約64kmの使用で、快適さと接続感が続き、ウルトラレースに最適。
両方とも、ミッドからナロー幅のランナーにおすすめ。EX Proはパフォーマンス重視、EX 330は持続的な快適さ。
性能比較テーブル
| モデル | クッション性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Fuga EX Pro | スーパークリティカルTPUフォーム + カーボンプレート、レスポンシブな反発 | 推進力が高く、テクニカルトレイルで機敏。柔軟性と接続感のバランス良し | 幅が平均的で広い足には不向き。カーボンの恩恵が速いペース限定 |
| Fuga EX 330 | スーパークリティカルEVAフォーム、厚みあるクッション | 長距離で疲労軽減、優れたグリップと快適さ。ウルトラ向き | カーボンなしで推進力が控えめ。重さがやや増す |
このテーブルから、EX Proはレース、EX 330はトレーニングや長距離に適していることがわかります。
トレイルシューズの選択肢として、Kailas Fuga EX ProとEX 330は魅力的なオプションです。EX Proはカーボンプレートによりレスポンシブで、平坦やテクニカルトレイルで活きるものの、トレイルでは柔軟性が重要で、必ずしも必須ではないと感じました。一方、EX 330はクッションとグリップのバランスが優秀で、長距離ランナーに推奨。どちらもVibramアウトソールが信頼性高く、Kailasの開発力を実感。あなたの走行スタイルに合わせて選べば、満足度の高いシューズになるでしょう。詳細は公式サイトで確認を。