ラ・スポルティバ プロディジオ マックス レビュー:究極のウルトラシューズ?

はじめに

ラ・スポルティバの人気トレイルランニングシューズ「プロディジオ」ファミリーに、新たなモデル「プロディジオ マックス」が登場しました。このシューズは、オリジナルのプロディジオやレース志向のプロディジオ プロの兄弟モデルとして、最大限のクッション性を備えたウルトラディスタンス向けに設計されています。レビュアーは、オリジナルのプロディジオをサウスダウンズウェイ100kmで使用し、優れたパフォーマンスを実感。また、今年のプロディジオ プロを特にお気に入りの一つとして挙げています。プロディジオ マックスは、深いスタックハイトながら安定性を重視した構造で、長距離トレイルでの疲労軽減を目指します。このレビューでは、フィット感、ミッドソール、アウトソールなどの特徴を詳しく比較し、トレイルランナーにとっての魅力を探ります。実際のテストランでは、急峻な山道や岩場、雨で滑りやすい地形で検証し、その実力を確認しました。あなたがウルトラトレイルに挑戦するなら、このシューズは有力候補になるでしょう。


:national_park: モデル概要

プロディジオ マックスは、イタリアブランドのラ・スポルティバが提供するトレイルシューズの最新版です。伝統的なイエロー、ブラック、レッドのカラーリングが目を引くデザインですが、性能が本質です。ミッドソールはXFlow Enduranceを採用し、ETPUのインナーコアをXFlow超臨界窒素注入EVAで包んだデュアルコンパウンド構造。これにより、ポップさと耐久性を両立しています。スタックハイトはヒール37mm、フォアフット31mmで、ドロップは6mm。長距離ランで疲労時に適したリフト感を提供します。アウトソールはFriXion Redラバーで、ヒール部は硬めの耐久性重視、フォアフットは柔らかいグリップ重視の2種類。4mmのU字型ラグパターンが、多様な地形に対応します。アッパーはポリエステルとTPU糸のComfort Wireで、耐久性が高く、マトリックス風のテクニカルな質感です。重量は27cm(US9)で295gと、深いクッションながらバランスの取れた軽さを実現しています。


:running_shoe: フィットとサイズ

ラ・スポルティバのシューズは一貫して小さめに作られているため、プロディジオ マックスもハーフサイズからフルサイズアップをおすすめします。レビュアーはUK10(約27.5cm)を使用しましたが、短く感じ、長いランではUK10.5が適切と指摘。ミッドフットはしっかりロックダウンされ、ヒールスリップはありません。プロディジオ プロに比べてトゥボックスが広く、ミッドフットに深みがあり、幅広の足にも対応しやすいです。アッパーはボックスから快適で、擦れや刺激なし。ガセットタンにゾーン別の薄いパッドが配置され、足の甲にフィットします。踵周りは適度なパッドと頑丈なヒールクレードルでサポート。全体として、耐久性のあるオーバーレイとステッチが施され、トレイル環境に耐えうる構造です。短距離テストではホットスポットや水ぶくれなしで、すぐに馴染みました。


:man_running: 性能と走行感

テストランはフランスのシャモニーで実施し、約10km、標高差約366mをカバー。急な登り、根っ張りのトレイル、岩場、雨で滑りやすい下りを経て、多様な地形を検証しました。ミッドソールは予想より硬めで、プロディジオ プロのようなバウンシーさではなく、オリジナルのプロディジオに似たフィーリングですが、より深いクッションを提供します。これにより、テクニカルな下りで良好なグラウンドフィールと安定性を実現。幅広のプラットフォームと微かなロッカー形状が、効率的な推進力を生みます。一方で、疲労時のクッションが期待通り働き、長距離で有効です。比較として、アシックスのトラブコ マックス3に似た乗り心地ですが、ラ・スポルティバのアウトソールの方が泥地でのグリップに優位と予想されます。全体的に、ウルトラ向けの安定した走行感が魅力です。


:gear: アウトソールと耐久性

アウトソールはFriXion Redラバーで、ヒールは耐久性重視の硬め、フォアフットはグリップ重視の柔らかめ。4mmの多方向ラグは、ヒールが後向き、フォアフットが前向きで、チャンキーなデザインがトラクションを高めます。雨で滑りやすい岩場でも優れたグリップを発揮し、過去のラ・スポルティバ製品同様、信頼性が高いです。アッパーの耐久性も抜群で、ポリエステルとTPUの組み合わせがトレイルの厳しさに耐えます。トゥバンパーが前部の保護を強化。ミッドソールのデュアル構造は、安定性と耐久性を向上させ、サウコニーのエクソダス ウルトラ4に似たセットアップです。長期使用でミッドソールの硬さが持続し、テクニカルトレイルに適しています。


:bar_chart: 比較テーブル

モデル クッション メリット デメリット
プロディジオ マックス ヒール37mm / フォアフット31mm (ドロップ6mm)、硬めの深クッション 安定性が高く幅広フィット、耐久性抜群、長距離向けの保護性、重量295g (27cm/US9) 硬めでバウンシーさ控えめ、サイズが小さめ
プロディジオ プロ ヒール34mm / フォアフット28mm (ドロップ6mm)、バウンシー レース志向の軽快さ、エネルギーリターン良好、重量255g (27cm/US9) フィットがタイトで幅狭、テクニカル地形でやや不安定
プロディジオ (オリジナル) ヒール34mm / フォアフット28mm (ドロップ6mm)、バランス型 快適で多用途、良好なグラウンドフィール、重量270g (27cm/US9) クッションがマックスより浅く、長距離で疲労しやすい

結論

プロディジオ マックスは、ラ・スポルティバのラインナップに欠かせないウルトラ向けシューズとして輝きます。深いクッションと安定性が長距離トレイルで威力を発揮し、プロディジオ プロのレース性やオリジナルのバランスとは明確に差別化されています。幅広フィットが多くのランナーに適し、耐久性の高さが信頼を呼びます。ただし、サイズ選びは慎重に。テクニカルな地形や雨天でもグリップが優秀で、ウルトライベントに最適です。あなたが安定したパートナーを求めるなら、このモデルをおすすめします。トレイルの冒険をさらに楽しむ一足になるはずです。