はじめに
このレビューでは、Hong Kong発の新興ブランドMount to CoastのR1モデルを紹介します。このシューズは、ロード環境でのウルトラディスタンスレースを対象に設計されており、長距離ランナーの快適さとパフォーマンスを重視しています。初回のランでその特徴を検証し、フィット感やクッション性を詳しくお伝えします。
モデル概要
Mount to Coastは、長距離ロードランニングに特化したシューズを開発するブランドです。R1はウルトラディスタンスロードレーサーとして、軽量で快適な走りを追求しています。
- アッパー: 軽量で通気性の高いダブルレイヤードジャカード素材を使用。多数の穴が空気循環を促進し、足を涼しく保ちます。舌部はガセット式で、足を包み込むフィット感を提供。踵周りとアンクルカラーのパッドは適度で、柔らかい素材が快適さを高めます。
- レーシングシステム: 独自のTuned Fitデュアルレーシングシステムを採用。上部は標準的なレース、下部はクイックレース式で、中足部と前足部の調整が容易。ウルトラレースで足が膨張した場合に便利です。
- ミッドソール: LightCELLと呼ばれるPEBAハイブリッド化合物に窒素を注入したスーパークリティカルフォーム。標準EVAより50%軽く、快適でバウンシーなエネルギーリターンを提供。内部にZero Sagインサートを搭載し、長距離での快適さとエネルギーリターンを重視（カーボンプレートのような推進力ではなく）。
- アウトソール: 軽量化のための柔らかい素材（おそらくラバーライズドEVA）。乾燥路面では粘着性が高く、ウェット時や木製フロアで騒音が発生する可能性あり。
- スペック: ヒールドロップ8mm、ヒールスタック35mm、前足部27mm。重量は27cm（US9）で235gと軽量。
この構造は、長距離ロードレースの厳しい条件に対応するよう工夫されています。
フィットと快適性
初回のランで、R1のフィット感をテストしました。サイズは真サイズで、27cm（US9）がぴったり。ボックスからすぐ快適で、踵のホールドと中足部のロックダウンが良好です。
- デュアルレーシングシステムが効果的。下部のクイックレースで前足部の幅を調整可能。ウルトラレースのように足が膨張しても、緩めて対応できます。
- アッパーは軽やかで通気性が高く、内側が柔らかく擦れなし。踵と舌部の padding が適度で、足の形状にフィット。
- 狭めの足型でも前足部に余裕があり、自然なトゥスプレイが可能。一方で、幅広の足にも調整で対応しやすい。
全体として、さまざまな足型に適応するカスタマイズ性が高いです。
パフォーマンスと走行感
約13kmのランで性能を評価。風の強いコンディションでしたが、シューズは軽快に応答しました。回復中の体調でも、ゆったりとしたペース（約8:30/km）で快適。
- 軽量さとバランス: 235gの軽さが実感でき、レスポンシブでバランス良好。SauconyのPWRRUN PBやNikeのZoomXに比べてバウンスは控えめですが、快適で長距離向き。
- ミッドソール: LightCELLフォームが柔らかく快適。中足部の柔軟性が適度で、効率的な走りをサポート。Zero Sagインサートが安定性を加え、疲労を軽減。
- アウトソール: 乾燥路面でグリップ良好。13kmで踵外側の摩耗が見られましたが、耐久性を今後監視。ウェット時の騒音は未テストですが、注意点です。
- 汎用性: ウルトラ向きですが、テンポランでも軽快。速いペースでも対応可能ですが、超高速レースより長距離に最適。
初回ランでポジティブな印象。ベッドインでさらに良くなる可能性あり。
比較テーブル
| モデル | クッション | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Mount to Coast R1 | LightCELL（PEBAハイブリッド窒素注入フォーム）+ Zero Sagインサート | 長距離耐久性高く、足の膨張対応可能、軽量で快適、調整しやすいフィット | 高速ペースでレスポンス控えめ、ウェット時騒音、潜在的なアウトソール摩耗 |
| Saucony Endorphin Speed 4 | PWRRUN PBフォーム + ナイロンプレート | 汎用性高く、バウンシーでテンポ/デイリーに適す、安定性良好 | プレートが硬く感じる場合あり、耐久性にばらつき |
| Nike Vaporfly 3 | ZoomXフォーム + カーボンプレート | 極めてバウンシーで推進力強、超軽量でマラソン向き | 耐久性低め、不安定さあり、長距離で底付きしやすい |
このテーブルは、R1の長距離特化を他モデルと比較。R1はウルトラロードに優位です。
おすすめポイント
R1はウルトラディスタンスロードランナーに特におすすめ。以下のような方にぴったりです。
- 長距離で足の膨張が気になる人：デュアルレースで調整簡単。
- 軽量でバランスの良いシューズを求める人：235gの軽さが疲労を軽減。
- 快適さを優先する人：アッパーとミッドソールの組み合わせが優秀。
一方で、短距離高速レースなら他のスーパーシューズを検討を。
結論
Mount to Coast R1は、新ブランドのデビュー作として優秀。軽量で快適な上、長距離向けの革新的技術が魅力です。ウルトラロードシーンで活躍しそうですが、日常ランでも楽しめます。あなたはどのシューズで長距離に挑みますか？ さらなるテストで耐久性を確認したいところです。