はじめに
このレビューでは、Altraのプレミアムトレイルランニングシューズ「Mont Blanc Carbon」（SOARコラボ版）と標準モデルの「Mont Blanc Speed」を比較します。ゼロドロップとワイドトゥボックスが特徴のこれらのシューズを、フィット感や走行性能を中心に検証します。
モデル概要
Altra Mont Blanc Carbonは、SOARとのコラボレーションによるカーボンプレート搭載のトレイルシューズです。ゼロドロップ設計（ヒールとフォアフットのスタックハイトが同じ29mm）で、足の自然な動きを促進します。27cm（US9）サイズの重量は約264gと軽量で、トレイルでの敏捷性を重視しています。
一方、Mont Blanc Speedはカーボンプレートなしの標準バージョンで、同様にゼロドロップと29mmスタックハイトを採用。27cm（US9）サイズの重量は約258gとさらに軽く、日常のトレイルランに適したバランスの良い設計です。
両モデルとも、Altraの特徴であるワイドトゥボックスを備え、足指の広がりを許容します。アウトソールはVibram Mega Grip Litebaseを採用し、軽量ながら優れたグリップを提供。ただし、ラグ深さは3.5mmと浅めで、乾いたトレイル向きです。
アッパーの構造とフィット
Mont Blanc Carbonのアッパーは、2種類のエンジニアドファブリックを使用。前部は柔らかく通気性の高い素材でトゥボックスを包み、後部は透明感のあるリップストップ素材にオーバーレイを重ね、耐久性を高めています。ガセット付きの薄いタングには、中央部にゾーンパディングを施し、レーシング時の快適さを確保。トゥ部分は柔らかく、保護性は控えめです。ヒールにはベルクロゲイターアタッチメントとタブを装備。
フィット感は真のサイズ通りで、ミッドフットとヒールがしっかりとロックダウン。ワイドトゥボックスにより足指に余裕があり、快適です。標準モデルのMont Blanc Speedではヒールリフトが発生しやすい問題がありましたが、Carbonでは構造改善により解消されています。これにより、長距離ランでも安定したホールドが得られます。
ミッドソールとクッション
両モデルともデュアルコンパウンドミッドソールを採用。外周にEGO MAXフォーム、内側コアにパフォーマンス志向のEGO PROフォームを配置し、快適さとレスポンスのバランスを取っています。
Mont Blanc Carbonはカーボンファイバープレートを内蔵し、推進力を高める設計ですが、柔軟性が保たれています。地面の感触が良く、保護性も十分。一方、Mont Blanc Speedはプレートなしのため、より柔らかくクッション性が高いと感じられます。岩場や多様な地形で快適に走れ、Carbonより地面のフィードバックが自然です。
走行性能とテスト結果
テストランでは、約11.7kmのトレイルをペースよく走行。Mont Blanc Carbonは軽量で機敏ですが、カーボンプレートの恩恵がそれほど感じられず、堅さからクッションがやや劣る印象でした。グリップは優秀で、乾いた地形に適しますが、泥濘地ではラグの浅さが限界を示します。
比較すると、Mont Blanc Speedの方がレスポンシブで楽しい走りを提供。ニンブルで快適なミッドソールが、長距離でも疲労を軽減します。Carbonはパフォーマンス志向ですが、Speedのバランスが優位に感じられました。
比較テーブル
| モデル | クッション | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Mont Blanc Carbon | 中程度（プレート入り） | - カーボンプレートで推進力向上- 軽量で敏捷- 優れたロックダウンとフィット | - プレートによる堅さ- トゥ保護が弱い- 泥地向きでない |
| Mont Blanc Speed | 高め（プレートなし） | - レスポンシブで楽しい走り- 優れたクッションと地面感- 軽量で多用途 | - ヒールリフトの可能性（個体差）- プレートなしで高速域の推進力が劣る |
まとめ
Altra Mont Blanc Carbonは、SOARコラボのスタイリッシュなデザインとパフォーマンスを求めるランナーにおすすめですが、Mont Blanc Speedの快適さとレスポンスが全体的に優位です。トレイルの種類や好みに応じて選択を。どちらもゼロドロップの恩恵で自然な走りを楽しめます。あなたはどのモデルを選びますか？