はじめに
このレビューでは、INOV8の最新トレイルランニングシューズ「TRAILFLY ZERO」を紹介します。このモデルは、人気のTRAILFLY G270の後継として期待されており、ゼロドロップ設計で自然な走りを追求。過酷なコンディションでの初ランを通じて、その特徴とパフォーマンスを検証します。トレイルランナーにとって、軽快さと耐久性が魅力的な一足です。
モデル概要
TRAILFLY ZEROは、INOV8のTRAILFLYシリーズのゼロドロップバージョンです。スタンダードモデルやTRAILFLY MAXと同様の構造を基に、ミッドソールのスタックハイトをヒールとフォアフットともに12mmに抑えています。これにより、地面を感じやすい自然な走行感を実現。
- フィットオプション: スタンダードフィットとワイドフィットがあり、トゥボックスは足の形状に沿った解剖学的デザインで広め。ワイドフィットを選べば、足の広いランナーも快適に使用可能。
- 重量: 27cm(US9)で約275g。軽量ながら耐久性を確保。
- 主な用途: ハードパックドトレイルや岩場、泥濘地でのランニングに適し、日常トレーニングからレースまで対応。
シリーズ全体として、TRAILFLYは硬い地面での速い走りを重視したラインナップです。
上部構造と素材
アッパーは軽量で通気性の高いエンジニアードメッシュを使用。MET-CRADLEプロテクションがヒールとミッドフットをロックし、安定したホールドを提供します。パディングはアンクルカラーとヒールに適度に配置され、過度に厚くないため快適。
- タン設計: ガセット付きで薄型。中央にゾナルパディングを施し、長距離での不快感を軽減。過去のG270で問題だった薄いタンの圧迫感を改善。
- 追加保護: トゥバンパーとオーバーレイで耐久性を強化。ヒールプルタブで着脱しやすく、全体的にシンプルで機能的。
これらの素材は、息苦しさを感じさせず、トレイルでの動きをサポートします。
パフォーマンスとフィット
過酷な泥濘と湿ったトレイルで約15.6kmをテスト。アウトソールはグラフェン注入のGRAPHENE GRIPラバーで、4mmのマルチディレクショナルラグパターンを採用。湿った岩や根、泥地で優れたグリップを発揮し、滑り知らず。
- ミッドソール: FLY SPEED PROフォームとBOOMERANGフットベッドの組み合わせで、クッション性とバウンスを提供。メタプレートロックプレートが岩場での保護を強化。
- フィット感: ミッドフットとヒールがセキュアにロックされ、足の動きを最小限に。薄いタンが快適で、長距離でも問題なし。サイズはハーフサイズアップを推奨。
- 柔軟性: ミッドフットとフォアフットのフレックスグルーブで柔らかく、地面の感触が良好。ソフトサンドやストーニートレイルでも安定。
ゼロドロップのためミニマル感があるが、クッションのおかげで長距離も快適。レース向きのレスポンシブさを感じました。
モデル比較
以下は、TRAILFLY ZEROと関連モデルの比較表です。クッション性はスタックハイトとフォームの感触に基づき、メリット・デメリットをまとめました。重量はすべて27cm(US9)基準。
| モデル | クッション性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| TRAILFLY ZERO | 低(12mmゼロドロップ) | 軽量で自然な走り、耐久性高いグリップ | 長距離でクッション不足の可能性 |
| TRAILFLY G270 | 低(22mmゼロドロップ) | 軽快で速いペース向き、広いトゥボックス | 旧デザインでタン圧迫の懸念 |
| TRAILFLY(スタンダード) | 中(29/23mm、6mmドロップ) | 日常トレーニングにバランス良し | ミッドフットがやや狭め |
| TRAILFLY MAX | 高(24/18mm、6mmドロップ) | ウルトラ向きのクッションと快適さ | 重量がやや重め |
TRAILFLY ZEROはG270より上部デザインが改善され、足形状にフィットしやすい点が優位です。
結論
TRAILFLY ZEROは、G270の成功を継承しつつ、上部デザインの改善でより快適なトレイルシューズに進化しました。過酷条件でのグリップと自然なフィットが魅力で、速いペースのトレイルランやレースにオススメ。ゼロドロップが合うランナーなら、トレーニングのバリエーションを広げてくれます。あなたもこのシューズでトレイルを楽しんでみてはいかがでしょうか?