はじめに
ナイキのペガサス プラスは、かつてのペガサス ターボの遺産を引き継いだ軽量でレスポンシブなランニングシューズです。このレビューでは、ZoomXフォームをフルレングスで採用したその性能を、ラボテストに基づいて詳しく掘り下げます。日常のランからテンポセッションまで対応する汎用性を備えつつ、フィット感の狭さが特徴。従来のペガサスシリーズファンや軽量志向のランナーに向けた進化形として、実際の走り心地を検証しました。
モデル概要
ペガサス プラスは、ペガサス ターボ4として開発されたシューズが最後の瞬間にリブランドされたものです。2018年のターボ35以来の軽快でエネルギッシュな走りを現代的にアップデートし、日常トレーナーとしてだけでなく、速いペースのトレーニングにも適したモデルです。
- 主なスペック(27cm基準):
- 重量: 244g(ラボ測定値)
- ヒールスタック: 33.0mm
- フォアフットスタック: 23.6mm
- ドロップ: 9.4mm(ブランド値10mm)
- ミッドソール素材: フルレングスZoomXフォーム
このシューズは、マキシマリストデザインのトレンドとは対照的に、低スタックで地面を感じやすい設計。ヒールストライカーからミッド/フォアフットストライカーまで幅広いランナーにフィットしますが、狭めのトゥボックスが狭足の人に特におすすめです。一方で、安定性を求めるランナーには物足りないかもしれません。
従来のペガサス41と比べて、ZoomXの採用によりエネルギーリターンが向上。ターボの伝統的なレーシングストライプを継承し、スタイリッシュなルックスも魅力です。全体として、クラシックなペガス体験を高速化させた一台です。
クッションとエネルギーリターン
ペガサス プラスの最大の魅力は、フルレングスのZoomXミッドソールにあります。このフォームは、アルファフライ3のようなレーサー向けのものとは異なり、耐久性を重視したチューニングが施されており、日常使いに最適化されています。ラボテストでは、ヒールで64.4%、フォアフットで70.8%のエネルギーリターンを記録し、平均的なデイリートレーナーを上回るバウンシーな感触を提供します。
- ショックアブソプション:
- ヒール: 125 SA(平均129 SA)
- フォアフット: 79 SA(低値で地面フィールが強い)
これにより、テンポランやインターバルで軽快な推進力を発揮。一方で、低スタックのため、長距離のマラソンでは追加のクッションを求めるランナーには不向きです。ミッドソールの柔らかさは12.3 HAと非常にソフトで、アルファフライ3のZoomX(よりバウンシー)と比較しても、耐久性寄りのチューニングが走りの安定感を生み出しています。
非ロッカー形状を採用している点もポイント。現代のロッカー付きシューズが多い中、このフラットなプロファイルは足の筋力を自然に鍛え、トゥオフの力を強化します。柔軟性テストでは10.5Nの低値で、プレートなしの設計ながらレスポンシブ。結果として、複数のペースに対応する汎用性が光ります。
フィットとサイズ感
サイズ感は多くのオーナー投票で「トゥー・トゥ・サイズ」と評価されており、27cmで標準的なフィットを実現。フライニットアッパーは伸縮性が高く、縦方向のトゥボックス高さは29.3mmと広々。トゥが上下に動く余裕があり、長時間のランでも圧迫感が少ないです。
しかし、横幅は注意が必要。最大幅93.9mm(平均95.2mm)、ビッグトゥエリア71.6mm(平均73.3mm)とやや狭く、テーパード形状が特徴です。狭足のランナーやスピードトレーニングを好む人にぴったりですが、標準幅以上の足幅ではきつめに感じる可能性があります。試着を推奨します。
- アッパーの特徴:
- トング: ノンガセット(通気性を優先)
- パディング厚: 2.8mm(軽量志向)
- ヒールカウンター: 硬め(4/5)でロックダウン良好
通気性は3/5と中庸。フライニットの密度が高いため、夏場は蒸れやすいですが、ストライプ部分が耐久性を高めています。ソックスレスランには不向きで、摩擦が気になるランナーは注意を。
パフォーマンスと比較
ペガサス プラスは、ペガサス41より軽量で速く、テンポセッションに特化。トルクショナルリジッドネスは3/5と柔軟で、足の自然な動きをサポートします。グリップテストでは0.42のデセントな値で、ドライ/ウェット両対応。アウトソールはセグメントデザインで、フォアフットとヒールのラバー露出が良好ですが、ミッドフット露出部は耐久性に影響するかも。
以下に、主な競合モデルとの比較表を示します。クッション、メリット、デメリットを中心にまとめました(27cm基準のデータ)。
| モデル | クッション(ミッドソール柔らかさ) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ペガサス プラス | ソフト (12.3 HA) | 軽量(244g)、高エネルギーリターン、柔軟性抜群 | 狭いトゥボックス、安定性低め |
| ペガサス 41 | ソフト (20.5 HA平均) | 汎用性高く、ヒールクッション良好 | 重め(281g)、レスポンス普通 |
| ペガサス ターボ | ソフト | クラシックな速さ、地面フィール強い | 古いスタック低(旧モデル) |
| インフィニティRN 4 | ソフト | 安定寄り、クッション厚め | 重く(316g)、テンポ向きでない |
この表から、ペガサス プラスは軽さとレスポンスで優位。ペガサス41は日常ラン向きですが、プラスはテンポで差をつけます。ミッドソール幅はフォアフット116.5mm、ヒール89.5mmとスリムで、アジリティを重視した設計です。
耐久性と安定性
耐久性は全体的に良好。トゥボックスは3/5でフライニットながらDremelテストで健闘、ヒールパディングは5/5の優秀値。アウトソールは1.2mmの摩耗(平均1.0mm)とやや薄めですが、数百kmの使用に耐えます。厚さ2.7mm(平均3.2mm)で、日常使いに十分。
安定性はニュートラル設計で、プロネーション対策なし。ヒールカウンターの硬さがロックを助けますが、ヒール幅の狭さからヒールストライカーにはやや不安定。ミッドフット/フォアフットストライカー向けです。冷間時のミッドソール硬化は26%(平均25%)と標準で、冬ランも問題なし。
インソールは4.4mmのEVAで取り外し可能ですが、プレミアム感は薄め。リフレクター付きでナイトラン対応も万全です。
結論とおすすめ
ペガサス プラスは、軽量でバウンシーな走りを求めるランナーに最適な一台。ZoomXのエネルギーリターンがテンポやレースを楽しくし、柔軟性が足の強化に寄与します。ただし、狭いフィットと限定的な安定性から、狭足の軽量ランナーやペガサスファンに特におすすめ。広足の人や安定重視なら、ペガサス41を検討を。
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