HOKA Rocket X 3徹底レビュー:耐久性重視のスーパーシューズ比較

はじめに

このレビューでは、HOKA Rocket X 3をメインに取り上げ、耐久性と快適性を重視したスーパーシューズとして徹底検証します。他の競合モデルとの比較も交え、ランナーの皆さんが最適な一足を選べるようお手伝いします。長距離レースやテンポ走に適した特徴を、 labテストに基づいて詳しく解説していきます。


:person_running: モデル概要

HOKA Rocket X 3は、2年間のブランクを経て登場したアップデートモデルです。スーパーシューズのカテゴリで、耐久性と快適性を重視した設計が特徴。一方で、重量がやや重めのため、最高速を追求するランナーには注意が必要です。

  • 主な特徴: PEBAフォームを採用したレスポンシブなミッドソール、フルレングスのカーボンプレート、ロック形状でスムーズなトランジションを実現。
  • 対象ランナー: ニュートラルなランナーで、マラソンなどの長距離を耐久性重視で走りたい人。ヒールストライカーにも適した高いドロップ。
  • 重量: 220g (27cm / US9)。

このシューズは、従来のスーパーシューズのように軽量を極めず、パッド入りタンとヒールで快適さをプラスしています。これにより、トレーニングからレースまで幅広く対応可能です。


:magnifying_glass_tilted_left: クッション性とエネルギー返還

HOKA Rocket X 3のクッション性は、ヒールで155 SA、フォアフットで112 SAと平均を上回る優れた性能を示しました。これにより、ハーフマラソンやフルマラソン、長いランに適しています。

  • エネルギー返還: ヒール73.9%、フォアフット78.0%と、スーパーシューズの基準をクリア。PEBAフォームが弾むような推進力を提供します。
  • スタックハイト: ヒール39.6mm、フォアフット29.6mm。ワールドアスレティックス規定に準拠し、ヒール側がほぼ上限の40mmに近いため、クッションが豊富です。
  • ドロップ: 10.0mm (公称7mm)。これにより、ヒールストライカーや傾斜を好むランナーにフィットします。
  • ミッドソール柔軟性: デュアルデンシティPEBAフォームで、15.9 HA (上層)と15.5 HA (下層)。前作よりわずかにソフトで、快適なライド感。

ロック形状が前へのロールを促進し、効率的なストライドを実現。一方で、積極的なロックが合わないランナーもいるでしょう。


:running_shoe: フィットと上部構造

フィット感はレース指向でややタイト。トゥボックス幅70.0mm、高さ26.9mmと平均より狭めですが、快適なスペースを確保しています。

  • 幅/フィット: 92.0mmと狭め。テーパード形状で、レース時のロックダウンが良好ですが、幅広足には注意。
  • アッパー: エンジニアードメッシュで通気性5/5。薄く精密に作られ、強化部で安定と軽量を両立。ストレッチなしでフィット感が高い。
  • タンパッド: 3.1mmとスーパーシューズでは厚め。ヒールパッドも豊富で、長時間快適。
  • レースとタン: フラットレースでセキュア。ガセットなしですが、ほとんどの競合同様に問題なし。
  • ヒールタブ: 拡張ヒールカラーで着脱簡単。

全体として、狭めのトゥボックスがデメリットですが、安定したフィットがレースパフォーマンスを支えます。


:gear: 耐久性と安定性

スーパーシューズながら耐久性が抜群。トゥボックス耐久性3/5、ヒールパッド4/5、アウトソール0.9mm摩耗と平均以上です。

  • アウトソール: 厚さ2.4mmのラバーでグリップ0.57。ドライ/ウェット両方で信頼性高く、トレーニング向き。
  • 安定性: 横方向安定テストで優秀。カーボンプレートのウィング、ミッドソールサイドウォール、上部強化でサポート。ねじり剛性4/5、ヒールカウンター剛性2/5。
  • ミッドソール幅: フォアフット108.0mm、ヒール76.5mmとコンパクト。アジリティが高く、ニュートラルランナー向け。
  • フレキシビリティ/剛性: 21.3Nと適度な硬さで、スナッピーなライド。
  • 低温耐性: PEBAフォームが冷凍後3%しか硬くならず、冬場も安定。
  • その他: リムーバブルインソール3.4mm、リフレクティブ要素なし。

これらの特徴で、長距離耐久が強み。重めのビルドが弱点ですが、耐久性を求めるランナーに最適です。


:counterclockwise_arrows_button: 競合モデル比較

HOKA Rocket X 3を、PUMA Deviate Nitro Elite 3、New Balance FuelCell SuperComp Elite v5、HOKA Cielo X1 2.0と比較。主な違いは重量とクッション性にあります。

モデル クッション性 メリット デメリット
HOKA Rocket X 3 ソフト (ヒール39.6mm、フォアフット29.6mm) 耐久性抜群、レスポンシブPEBAフォーム、マラソン向き、安定性高め、快適なヒール/タン 重め (220g / 27cm US9)、狭いトゥボックス、ロックが積極的すぎる場合あり、速さで劣る
PUMA Deviate Nitro Elite 3 ソフト (ヒール39.2mm、フォアフット28.6mm) 軽量 (204g / 27cm US9)、柔軟性高め、テンポ向き 耐久性平均、フィット中庸
New Balance FuelCell SuperComp Elite v5 ソフト (ヒール39.3mm、フォアフット28.6mm) 軽量 (209g / 27cm US9)、安定性良好、レース特化 通気性中庸、耐久性低め
HOKA Cielo X1 2.0 ソフト (ヒール38.8mm、フォアフット28.1mm) 軽量 (208g / 27cm US9)、積極ロック、レスポンシブ 耐久性平均、狭めフィット

Rocket X 3は耐久で優位ですが、重量で他に劣る。軽さを求めるならASICS Metaspeed Sky TokyoやNike Vaporfly 4を検討を。


:memo: まとめとおすすめ

HOKA Rocket X 3は、耐久性と快適性を兼ね備えたスーパーシューズとして、長距離ランナーにオススメです。重さがネックですが、トレーニングとレースの両立にぴったり。競合より安定感があり、ヒールストライカー向き。一方で、究極の軽量を求めるなら他モデルを。あなたはどのシューズで次のレースに挑みますか?ランニングの参考になれば幸いです。


参考資料