はじめに
サロモン S/Lab Genesis は、軽量で安定感のあるトレイルランニングシューズとして注目を集めています。このレビューでは、ラボテストと実際のランニング体験に基づき、特徴、性能、比較を詳しく解説します。トレイルランナーにとって、軽快なフィット感と多用途性が魅力的な一足です。
モデル概要
サロモン S/Lab Genesis は、EVAベースのミッドソールを採用したトレイルシューズです。ヒールスタックは31.9mm、フォアフットスタックは24.1mmで、ドロップは7.8mm。軽量設計が特徴で、27cm (US9) の重量は249gと優れています。
- ミッドソール: optiFOAMと呼ばれるEVAフォームを使用。柔らかさは19.5 HAで、平均的なクッションを提供。
- アウトソール: Contagripラバーに4.3mmのラグを備え、多方向グリップを実現。
- アッパー: MATRYXメッシュ素材で、軽量かつ通気性が高い(4/5評価)。
- その他: ロックプレート(profeelFILM)で保護を強化し、Quicklaceシステムで素早い着脱が可能。
このシューズは、短距離ランからウルトラレース、ハイキングまで対応する汎用性を持ちます。
性能評価
ラボテストと実走行で検証した性能をまとめます。S/Lab Genesis は、軽さと安定性を重視した設計が光りますが、エネルギーリターンが平均的(ヒール55.6%、フォアフット59.4%)です。
- クッションと衝撃吸収: ヒール121 SA、フォアフット87 SA。軽量ランナー向けの自然な接地感を提供。一方で、ショック吸収は低めで、テクニカルな地形でのコントロールを向上。
- 安定性: トーショナルリジッドは3/5、ヒールカウンターは2/5。ニュートラルなサポートで、ミッドソール幅(フォアフット109.1mm、ヒール91.3mm)がコンパクト。
- 柔軟性: 13.8Nのスティフネスで柔らかく、ウォーキングやハイキングにも適応。
- 耐久性: トーボックス耐久2/5、ヒールパッド耐久2/5、アウトソール耐久1.1mm摩耗。全体的に平均的だが、MATRYX素材の軽さが優先。
- 通気性とフィット: トーボックス幅74.8mm、高さ25.1mmでレース向きのフィット。ソックライクなタング(パッド10.5mm)がデブリを防ぎ、ロックダウンが優秀。
寒冷時ミッドソール硬化は21%と良好で、全シーズン使用可能。リフレクティブ要素なしが惜しい点です。
比較分析
S/Lab Genesis を似た軽量トレイルシューズと比較します。他モデルに比べて軽さとフィットが優位ですが、エネルギーリターンが課題です。
- 類似モデル: Inov8 Trailfly、Saucony Endorphin Rift、Hoka Zinal 2。
- 地形適応: ライトからモデレートなトレイルで活躍。ラグ深度4.3mmがルーズな表面や軽い泥地でグリップを発揮。
- 使用シーン: 速いダウンヒルで快適。ストライクパターンはミッド/フォアフット。
以下は主な比較表です。
| モデル | クッション | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| Salomon S/Lab Genesis | ソフト(19.5 HA) | 超軽量、プレミアムMATRYXアッパー、優秀なロックダウン、汎用Contagripアウトソール | EVAミッドソールのバウンス不足、低ショック吸収 |
| Inov8 Trailfly | ソフト | 軽量、柔軟性高め、多方向ラグ | ミッドソール柔らかさの寒冷時変化小、耐久性平均 |
| Saucony Endorphin Rift | ソフト | 良好なエネルギーリターン、ロックプレート付き | 幅が平均、寒冷時スティフネス変化大 |
| Hoka Zinal 2 | ソフト | 軽量、柔軟、良好なグリップ | トーボックス耐久低め、幅がナロー寄り |
この表から、S/Lab Genesis は軽さとフィットのバランスが抜群ですが、他モデルの方がエネルギッシュなライドを提供する場合があります。
おすすめポイント
S/Lab Genesis が向くランナーを挙げます。
- 軽量フィールを求める人:短距離ラン、ハイキング、ウルトラレースに最適。
- 多様な地形を走る人:ロックプレートとContagripで安定。
- サロモンファン:Genesisの進化版として、グローブライクなフィットを楽しめる。
一方で、エネルギーリターンを重視するならHoka Tecton X 3 や Adidas Terrex Agravic Speed Ultra を検討を。プロネーションが強いランナーにはサポート不足かも。
寒冷時性能とその他
寒冷テストでミッドソールは21%硬化と安定。インソール厚4.0mmでリムーバブル、交換容易。タングはソックライクでデブリ防止効果高く、ヒールタブ(フィンガーループ)が着脱を助けます。
耐久面ではアウトソール厚1.2mmと薄いが、ロックプレートが補完。全体として、テクニカルトレイルでの敏捷性が魅力です。
まとめ
サロモン S/Lab Genesis は、軽量さとセキュアなフィットでトレイルランニングを革新します。EVAミッドソールのバウンスが平均的ですが、MATRYXアッパーとQuicklaceの快適さが際立ちます。軽快なシューズを探すランナーにおすすめの一足です。あなたはどのトレイルシューズを選びますか?