ASICS METASPEED RAY TOKYO フルレビュー:超軽量レーシングシューズの性能解析

このレビューでは、ASICS METASPEED RAY TOKYOのフルレビューをお届けします。ベルリンマラソンで実際に使用した経験を基に、特徴や性能、乗り心地を詳しく解説。短距離からマラソンまでの適性や、他モデルとの比較も含め、ランナーの皆さんに役立つ情報をまとめました。

:person_running: スペック概要

ASICS METASPEED RAY TOKYOは、ニュートラルなロードレーシングシューズです。主なスペックは以下の通りです。

  • 重量: 129g(27cm / US9)
  • スタックハイト: ヒール39.5mm、フォアフット34.5mm
  • ドロップ: 5mm

このシューズは、私がこれまで履いた中で最も軽いモデルで、レース中の軽快さを最大限に引き出します。カーボンプレートを搭載したスーパーシューズとして、速さを追求するランナー向けに設計されています。

:running_shoe: アッパーの特徴

アッパーにはMATRYX素材を使用したシングルレイヤーの細かいメッシュを採用。通気性が抜群で、シューズ内部が透けて見えるほどです。構造はほとんどなく、柔らかくしわが寄りやすいですが、走行中に問題はありません。

  • ヒールカウンター: 後部にわずかな構造があり、ヒールカップを維持。
  • パディング: アキレス腱部分に小さなパッドのみで、ほとんどパディングなし。ただし、刺激は感じません。
  • タン: 紙のように薄く、非ガセットタイプ。レースアップ時に調整しにくいですが、フィット感は良好。
  • レーシングシステム: 標準的なアイレットとノッチ付きシューレースで、ミッドフットがしっかりロックダウン。ヒールスリップなし。

長さは真サイズ、幅はレースシューズとしては広めでボリュームがあります。快適さは高く、軽量で通気性に優れたレース向きの設計です。全体の快適性能は8.5/10点。


:shield: アウトソールの性能

アウトソールにはASICS GRIPを採用。SKYやEDGE TOKYOモデルと似たデザインですが、ゴムが薄く、表面はスリックで溝がありません。それでもグリップ力は優秀で、ウェットコンディションでも滑りにくいです。

ベルリンマラソンでの水溜まりやシャワーエリアでテストしましたが、安定したトラクションを発揮。耐久性はレースシューズとして十分ですが、他のスーパーシューズに比べて長持ちしない可能性があります。性能面では9/10点。


:sponge: ミッドソールの乗り心地

ミッドソールはASICSの最新スーパーフォーム、FF LEAPをフル搭載。他のモデルとは異なり、古いフォームを混ぜず、最高級素材のみ使用。カーボンプレートはフルレングスではなく3/4長で、薄く柔軟です。フォアフットとヒール後部にプレートがなく、曲がりやすい。

ジオメトリーはロッカーが早く、トゥスプリングがアグレッシブ。ヒールベベルもあり、後足着地ランナーはヒール部のフォーム不足を感じるかも。乗り心地は超ソフトで、市販シューズの中でもトップクラスの柔らかさ。バウンスはスナッピーではなく、スムーズで推進力重視。

5km、10km、ハーフマラソンペースで最高のパフォーマンスを発揮。ベルリンマラソンでは序盤は完璧でしたが、27km以降フォームが崩れると不安定さが目立ち、足首に負担がかかりました。強靭なニュートラルランナーならマラソン向きですが、私のようなランナーには短中距離が最適です。


:counterclockwise_arrows_button: 比較モデル

ここでは、ASICS METASPEED RAY TOKYOと類似モデルを比較します。PUMA FAST-R NITRO ELITE 3はよりアグレッシブなロッカー、ASICS METASPEED SKY/EDGE TOKYOは安定性重視、サッカニー ENDORPHIN ELITE 2はソフトながらプレートが広い点が特徴です。

モデル クッション性 メリット デメリット
ASICS METASPEED RAY TOKYO 超ソフト(FF LEAPフォーム) 超軽量(129g)、スムーズな推進力、短中距離で優秀 不安定でマラソン後半に弱い、プレートが短い
PUMA FAST-R NITRO ELITE 3 ソフトでエネルギーリターン高 早いロッカー、フォアフットの安定性、速さ重視 ヒールが不安定、重め(170g)
ASICS METASPEED SKY TOKYO ソフトで安定 フルレングスプレート、長距離安定、軽量(170g) RAYより重く、柔軟性に欠ける
ASICS METASPEED EDGE TOKYO ソフトで安定 フルレングスプレート、長距離向き、軽量(170g) RAYより重く、柔軟性に欠ける
サッカニー ENDORPHIN ELITE 2 超ソフト(INCREDIRUNフォーム) 広いプレートで安定、マラソン後半強い、重め(199g) トゥボックスが狭い可能性、ジオメトリーが穏やか

これらのモデルはすべてスーパーシューズですが、用途によって選び分けを。RAY TOKYOは軽さを活かした短距離特化型です。


:memo: まとめとおすすめ

ASICS METASPEED RAY TOKYOは、軽量さとソフトな乗り心地が魅力のレーシングシューズです。5kmからハーフマラソンでは最高のパートナーですが、マラソンではフォームの強さが鍵。安定性を求めるならSKY/EDGE TOKYOやサッカニー ENDORPHIN ELITE 2を検討を。あなたの走りに合った一足を選んで、ベストタイムを目指しましょう!


参考資料