この記事では、HOKAのMach X 3を実際に53〜55km走行してレビューします。前作Mach X 2の最大の問題点だったヒールカウンターを伝統的なものに戻すことで、快適性が大幅に向上。スピードワークやロングランに適したプレート入りシューズとして、幅広いランナーにおすすめです。フィット感、性能、メリット・デメリットを詳しく解説します。
モデル概要
HOKA Mach X 3は、プレート入りスピードシューズとして設計されています。ミッドソールにはPEBAベースのスーパーフォームと窒素注入EVAを組み合わせ、クッション性と反発力を両立。スタックハイトはヒール46mm、フォアフット41mm、ドロップ5mmで、高い積層ながら安定した走行を実現します。重量は27cm(US9)で266gと、軽量ながら耐久性も備えています。このシューズは、速いペースを求めるランナー向けに進化を遂げました。
フィット感
サイズは真っ当にフィットします。レビュアーの27.5cm(US9.5)でぴったりで、HOKAの他のモデル同様、一貫したサイジングです。トゥボックスは十分なボリュームがあり、幅広の足にも対応。プレートの配置も足に干渉せず、快適に距離を稼げます。狭い足からやや広い足まで幅広く適応するでしょう。速いペースで走る際、つま先のイライラを防ぐのに最適です。
メリット
- ヒールカウンターの改善: 前作のミニマリストタイプから伝統的なものへ変更。これにより、かかとの擦れがなくなり、バンドエイドや厚いソックス不要に。シューズ全体の使い勝手が劇的に向上しました。
- フォームの優秀さ: 優れたロール感で、スピードワーク(3:53〜4:02分/km)やロングランのペースアップ(4:30〜4:40分/km)にぴったり。プレートが不快にならず、400m×4や800mインターバルでも速く感じます。
- アッパーの快適性: 通気性が良く、暑い環境でも足が蒸れません。さまざまなソックス(メリノウールなど)と相性抜群で、幅広足にもストレスフリー。
- 汎用性: スピードワーク、ミドルペース(4:49〜5:07分/km)、ロングランに適応。日常のトレーニングで幅広く使えます。
デメリット
- タンの非ガセット構造: ガセットタンでないため、履く際に調整が必要。折れ曲がると足に擦れる可能性がありますが、大きな問題ではありません。
- コーナリングの不安定さ: 高いスタックのため、トラックでの急カーブやターンで不安定に感じる場合あり。特に足首が弱いランナーは南北直線コース向き。
- スローペースの相性: 5:35分/km以上の回復ランではシューズが抵抗を感じ、快適さが低下。スロー専用シューズではありません。
- カラーリング: スライムグリーンのような派手な配色が好みでない人もいるかも。
性能比較テーブル
| モデル | クッション性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| HOKA Mach X 3 | マキシマル(PEBAスーパーフォーム+EVA) | ヒールカウンター改善で快適、優れたロールと反発、息抜群のアッパー、汎用性高くスピードワークに最適 | 非ガセットタン、コーナリング不安定、スローペース不向き |
| HOKA Mach X 2 | マキシマル(PEBAスーパーフォーム+EVA) | フォームの反発が良い、軽量(27cmで252g) | ヒールカウンターが弱くかかとを痛めやすい、全体の使い勝手が悪い |
結論
HOKA Mach X 3は、前作の欠点を修正したことで、プレート入りスピードシューズのトップクラスに躍り出ました。ヒールカウンターの変更がゲームチェンジャーとなり、速いペースのトレーニングで真価を発揮します。トレーニングブロックの真ん中で快適なシューズを探しているランナーには特におすすめ。あなたはMach X 3を試してみますか?ランニングの楽しみを広げてくれる一足です。
参考資料