このレビューでは、サロモン S/LAB Pulsar 4 を取り上げます。このシューズは、軽量トレイルレーサーとしてさらにスタックハイトを増やし、速さと機敏さを向上させたモデルです。テクニカルなトレイルで活躍する性能を、フィット感や素材、走行感を中心に詳しく比較・検証します。トレイルランナーの皆さんにとって、参考になる情報をまとめました。
フィット感
サロモン S/LAB Pulsar 4 のフィット感は、真っ先に注目すべきポイントです。レビュアーはUS9.5(約27.5cm)を着用し、真のサイズ感でぴったりフィットしました。つま先の位置が最適で、特にトレイルシューズとして重要なポイントです。岩を蹴った際の怪我を防ぐため、つま先スペースが十分確保されています。
幅広の足にも対応しやすい設計で、従来のサロモンモデルに比べてゆとりがあります。レビュアーの幅広足でも擦れや圧迫感がなく、快適でした。ただし、極端に幅広の足(例: フリントストーン級)の場合は、ワイドバージョンを待つのがおすすめです。
トゥボックスのボリュームも良好で、上部での擦れを防ぎ、ブリスターのリスクを低減します。全体として、幅広足のランナーでも問題なく使用可能で、ブレークイン期間が短いのが魅力です。
メリット
このシューズの最大の魅力は、エネルギーフォームプラスと呼ばれる新しいプレミアムフォームです。レスポンシブで機敏、安定性が高く、テクニカルなトレイルに最適です。ガレ場や急な登降りでも自信を持って攻められます。
走行感は速く感じられ、ハンマーを落とすようなペースアップが可能。一方で、ゆっくりとしたペースやウォーキング、ハイキング時にも快適で、ウルトラディスタンス向きです。疲労が溜まりにくいのがポイントです。
ロックダウンが抜群で、特殊なレースシステムが足をしっかり固定します。テクニカル地形で滑りにくく、安定感を提供します。マトリックスアッパーは通気性が高く、暑い環境でも足が蒸れにくいです。ペンシルベニアの熱波下でテストしても、快適さを維持しました。
排水性も優れており、川渡り後わずか0.4km以内で足が乾きます。水没テストで実証済みです。重量は約252g(27cm/US9サイズ、Running Warehouseデータに基づく)で、軽量ながら耐久性があります。約64kmのトレイルランでその実力を発揮しました。
デメリット
一方で、いくつかの改善点もあります。タンが寄りやすく、調整に時間がかかります。レースアップ時に正しくセットしないと、走行中にブリスターの原因になる可能性があります。一度ロックインすれば問題ありませんが、毎回の準備が少し面倒です。
レースガレージへの収納もやや手間取ります。タン調整後にレースをしまうのに苦労する点が、マイナスです。
ラグパターンは良好ですが、最高レベルとは言えません。泥地で若干のスリップを感じ、Kグリップの通常のサロモンシューズに比べて劣ります。速さを重視した設計のため、極端な泥濘地には向かないかもしれません。これらは好みの範疇ですが、注意が必要です。
性能比較
ここでは、S/LAB Pulsar 4 と前モデル S/LAB Pulsar 3 を比較します。Pulsar 4 はスタックハイトを増やし、より長い距離に対応しやすくなりました。クッション性やメリット、デメリットを表でまとめます。
| モデル | クッション性 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| S/LAB Pulsar 4 | エネルギーフォームプラス、ヒール35mm/フォアフット29mm、ドロップ6mm(中程度のクッション) | - レスポンシブで速く、テクニカルトレイルに強い - 速い/遅いペース両対応 - 通気性・排水性抜群 - ロックダウン良好 |
- タンが寄りやすい - レースガレージ収納しにくい - ラグが泥地でやや弱い |
| S/LAB Pulsar 3 | エネルギーフォーム、ヒール29mm/フォアフット23mm、ドロップ6mm(軽めのクッション) | - 超軽量(約201g、27cm/US9サイズ) - 速さと機敏さが高い - テクニカル地形向き |
- スタックが低く、長距離で疲れやすい - レビュアー評価が低め(愛せなかった) - クッションが薄めで保護性不足 |
この比較から、Pulsar 4 は前モデルよりスタックを増やし、快適さと汎用性を向上させたことがわかります。重量は約252g(27cm/US9サイズ)と若干増えましたが、走行感の向上でカバーしています。(データはBelieve in the Run、Road Trail Runに基づく)
結論
サロモン S/LAB Pulsar 4 は、軽量トレイルレーサーとして大きな進化を遂げました。エネルギーフォームプラスのレスポンシブさと安定性、通気性・排水性の高さが魅力で、テクニカルトレイルやウルトラレースにぴったりです。前モデルよりスタックが増え、長距離対応力がアップした点が特筆されます。
デメリットとしてタンやラグの微調整が必要ですが、全体的に高評価です。プレミアムなトレイルシューズをお探しなら、強くおすすめします。あなたはどのトレイルでこのシューズを試しますか? ランニングの楽しみを広げてくれる一足です。
参考資料