このレビューでは、プーマの最新トレイルランニングシューズ「ディヴィエイト ニトロ エリート トレイル」を徹底的に検証します。このシューズは、トレイルでの高速走行を目的としたスーパーシューズとして設計されており、特に滑らかなグラベルロードやバッファードトレイルでその真価を発揮します。約45kmのテストランを通じて、フィット感、性能、安定性を評価しました。ランナーの皆さんがシューズ選びの参考にしていただければ幸いです。
モデル概要
プーマ ディヴィエイト ニトロ エリート トレイルは、トレイル向けの初の本格スーパーシューズです。ミッドソールにはNITROFOAM Elite(超臨界フォーム)をフルレングスで搭載し、カーボン製のPWRPLATEを内蔵。これにより、快適さとレスポンシブな推進力を両立しています。スタックハイトはヒール36mm / フォアフット30mmで、ドロップは6mm。ラグは3mmのPumaGrip ATRラバーで、軽快なグリップを提供します。重量はメンズUS9(27cm)で約265gと軽量です。 アッパーはミニマルで通気性が高く、ガセットタンでフィット感を向上させています。このシューズは、ロードのスーパーシューズのトレイル版として、速さを追求したモデルです。
フィット感
フィットは真のサイズ通りで、メンズUS9.5(約27.5cm)を着用したところ、問題なくフィットしました。幅広の足にも対応し、熱いランでも足の腫れを考慮したゆとりがあります。アッパーは非常に薄く、透けるほどミニマルですが、レースデイ向けにストリームライン化されており、締め付け感なく快適です。一方で、トレイルシューズとしてはややタイトに感じる人もいるかもしれません。全体的に、安定したロックダウンと通気性が魅力です。
メリット
このシューズの強みは、速さと快適さを兼ね備えた点にあります。以下に主なメリットをまとめます:
- レスポンシブなフォーム: NITROFOAM Eliteが豊富に使われており、快適で速いトーオフを実現。6分/kmペースで楽に走れます。
- 安定性: 幅広のベースで、軽くテクニカルなグラベルロードでも安定。スーパーシューズ特有の不安定さが少なく、PR狙いのランに最適。
- 通気性と軽さ: アッパーがミニマルで息苦しさゼロ。熱いトレイルでも快適です。
- ルックスとフィーリング: 見た目が速そうで、着用すると自信が湧きます。バッファードトレイルやグラベルで最高のパフォーマンスを発揮。
- 多用途性: 西海岸のような滑らかなトレイルにぴったり。長い距離でも疲れにくい。
デメリット
一方で、限界もあります。以下に主なデメリットを挙げます:
- テクニカル地形不向き: ラグが3mmと浅く、岩場やテクニカルトレイルではグリップ不足。足首を捻るリスクあり。
- 東海岸向きでない: テクニカルな東海岸トレイルでは不十分。滑らかなバッファードトレイル限定。
- ワントリックポニー: 多様な地形で使いたい人には向かない。グラベルや草地に特化。
- ヒールカラーの擦れ: 慣らしが必要で、最初は擦れる可能性。
- ラグの耐久性: 泥や湿った岩では滑りやすい場合あり。
性能比較
ここでは、プーマ ディヴィエイト ニトロ エリート トレイルを、他の人気トレイルスーパーシューズと比較します。クッションはミッドソールの素材とスタックハイトを基準にまとめました。
| モデル | クッション | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| プーマ ディヴィエイト ニトロ エリート トレイル | NITROFOAM Elite (36/30mm) | レスポンシブで安定、軽量、通気性抜群、バッファードトレイルで速い | テクニカル不向き、ラグ浅い、ヒール擦れの可能性 |
| サッカニー エンドルフィン エッジ | PWRRUN PB (36/30mm) | クッション豊富でレスポンシブ、トラクション良好、多用途 | 不安定な地形で転倒リスク、ヒールスリップ、泥が溜まりやすい |
| ホカ テクトン X2 | ProFlyX (デュアル密度PEBA/EVA, 32/27mm) | 軽量で推進力強い、トラクション優秀、安定性高い | テクニカルでコントロールしにくい、ナローなフィット、ヒールスラップ |
| ナイキ ウルトラフライ | ZoomX (38.5/30mm) | ソフトでエネルギッシュ、安定性良く、保護力高い | 重め、テクニカル/泥不向き、ヒールスリップ、プレート硬い |
この表から、プーマは軽さと速さに優れますが、地形を選ぶ点が特徴です。一方で、サッカニーやホカはより多様なトレイルに対応します。
結論
プーマ ディヴィエイト ニトロ エリート トレイルは、バッファードトレイルやグラベルロードで速く走りたいランナーに最適です。レスポンシブなフォームと安定性が、PR更新を後押しします。ただし、テクニカル地形では他のシューズをおすすめします。あなたのトレイル環境に合えば、ローテーションに加える価値ありです。どのシューズを選びますか?
参考資料