HOKA Tecton X 3 フルレビュー:最高のトレイルスーパーシューズ候補?

はじめに

この記事では、HOKAの最新トレイルランニングシューズ「Tecton X 3」を徹底レビューします。このシューズは、トレイルレース向けのスーパーシューズとして設計されており、特にバッファードなトレイルで速さを追求したいランナーに向いています。従来モデルであるTecton X 2のフルリニューアル版で、Tecton X 2.5に似た特徴を持ち、快適さとスピードを両立させた点が魅力です。レビューでは、フィット感、性能、メリット・デメリットを詳しく解説し、他のモデルとの比較も行います。

:national_park: モデル概要

HOKA Tecton X 3は、トレイルレース専用のスーパーシューズです。カーボンプレートを搭載したパラレル構造で、推進力を高めています。ミッドソールには新しくアップデートされたデュアルレイヤーPEBAフォームを使用し、クッション性と反発性を向上させました。スタックハイトはヒール40mm、フォアフット35mmで、ドロップは5mm。アウトソールはVibram Megagrip Litebaseを採用し、軽量で耐久性が高いです。アッパーはMatryx素材のクイックドライタイプで、ブーティ構造(ソックライク)を取り入れ、軽快なフィットを実現。重量は27cm(US9)で約275gと、トレイルシューズとしては軽量クラスです。

このシューズは、特にウェスタンステイツのようなバッファードトレイルを想定して設計されており、速いペースを維持しつつ快適に走れる点が特徴です。テクニカルな地形より、滑らかなトレイルやロードトゥトレイルに適しています。

:high_voltage: 性能と特徴

Tecton X 3の性能は、スピードと快適さのバランスが抜群です。レースペースで走ると、3:45 min/km前後の速いペースが楽に感じられます。特に、マラソントレーニング中でも努力なく速く走れる点が印象的です。アップデートされたPEBAフォームは、トレイルでの歩行やハイキング時にも快適で、ナーリーなセクションでもクッションが効きます。

アッパーのブーティ構造は、27cm(US9.5)でぴったりフィットし、着脱が簡単。ロードから軽くテクニカルなトレイルまで、ロックダウンが良好です。Vibramアウトソールはグリップが強く、グラベルやレールトレイルで自信を持って走れます。一方で、テクニカルな地形ではアンクルの安定性がやや不足し、セキュアなフィットが必要なランナーには注意が必要です。

ソックスとの相性も重要で、高めのソックスを履くとシームによるブリスターを防げます。全体として、バッファードトレイルでのレースに最適で、UTMBのようなコースでも活躍が期待されます。

:+1: メリット

  • スピード感の向上: スーパーシューズらしい推進力で、バッファードトレイルやロードトゥトレイルで速く走れます。快適にペースを上げられるのが魅力。
  • 快適なフォーム: 新しいPEBAフォームがクッションと反発を両立。長距離レースでの歩行やハイキング時も疲れにくい。
  • 優れたフィット: ブーティアッパーが軽量でロックダウンが良く、着脱しやすくデブリを防ぎます。
  • 汎用性: グラベルや軽テクニカル地形に強く、ロードセクションもスムーズにこなせます。
  • 耐久性: Vibramアウトソールがグリップと耐久性を提供し、自信を持ってトレイルを走れます。

:-1: デメリット

  • テクニカル地形への適性不足: セキュアなロックダウンが弱く、アンクルが不安定に感じる場合あり。ランナーズノットができない構造がネック。
  • ソックス依存: 低めのソックスだとシームがブリスターを引き起こす可能性。高いソックス推奨。
  • プロ使用のミスマッチ: HOKAのプロランナーがTecton X 2.5を好む傾向があり、一般モデルとの差異が気になる。
  • 限定的な用途: スローペースやジャーニーラン、ガナリーなトレイルには向かない。

:bar_chart: モデル比較

以下は、Tecton Xシリーズの主なモデルを比較したテーブルです。クッション性はフォームの柔らかさとスタックハイトを基に評価しています。

モデル クッション性 メリット デメリット
Tecton X 3 高(デュアルPEBA、40/35mm) 快適で速く、長距離レース向き。軽量(275g)。 テクニカル地形で不安定。ソックス選びが必要。
Tecton X 2 中(ProFly+、32/27mm) 軽量(258g)で機敏。バッファードトレイル良好。 スタックが低めでクッション不足を感じる場合。
Tecton X 2.5 高(PEBA、44/39mm) 高スタックでクッション抜群。プロ仕様並み。 限定リリースで入手しにくい。重量やや重め(258g)。

この比較から、X 3はX 2の進化版としてクッションを強化し、X 2.5の快適さを取り入れたバランス型と言えます。

結論

HOKA Tecton X 3は、バッファードトレイルでの高速レースに最適なシューズです。アップデートされたフォームとフィットが、速さと快適さを両立させています。ただし、テクニカル地形やスローペースには不向きなので、用途に合わせて選びましょう。大きな目標を持つランナーにおすすめです。あなたはどのTectonを選びますか?


参考資料